第2話 OK!!~Preparation.~

 勉強したところで何になるというのだろう。天才は天才としてその形のまま生まれてくる。

 彼らは重要NPCなのだろう。RPGゲームでもよくあるよね、どんなに強い装備でどんなに万全に対策を尽くそうが、勝てない。そう、負けイベント。

 そこに出てくるNPCはもはや破壊不可能オブジェクトであって、それを倒そうとする方がバカげているんだよ。

 

 しかし、まぁボクがプレイするこの世界で、ボクに理解できない秩序の一つもあるはずがないし。じゃあ、なぜ彼らNPCに勝てないのか。

 それはまだ時期ではないからだよ。時間は一次元的に観測されているというのであれば、待つしかないのかな。

 

 ただ待つのは楽しくない。どうせこの世界の秩序がどうなろうと、ボクはNPCじゃないんだから、自分で自由に選択ボタンを押させてくれるはず。

 前述のとおりは時間は一次元的に観測しているのであれば、待つというイベントの最中楽しんだ方が良かったりする。

   

 

 さぁ、何をすれば楽しいのかな。大体ゲームなの楽しみ方は千差万別。つまり自由意志が尊重されるのであれば、短時間で高パフォーマンスなものを選べば良いらしい。と、ボクに気づかせてくれたこの世界の伏線はさぞかし優秀でだったよ。

  

 とは言えども、ボクに特技といった特技はない。何かに没頭するのが怖いからだよ。待ちイベントの時間を過ぎて、見過ごしてしまうというのが怖くて恐ろしい。しかし、我を失うほど熱中したことがこれまでになかったのであくまで推測の域を出ない。

 

 さっきから時間を一次元的だと言っているが感覚的にはその通りではないよ。長く感じたり短く感じたりする時があるよね。つまり感覚的には時間は二次元的でもあると思うんだ。しかしそれは落とし穴。二次元的時間軸には待ちイベントがそう単純でないから。

 

 でもまぁ16年待ったんだ。この世界の管理者にとっては短い期間なのかもしれないが、ボクには十分長かった。そろそろボクも、そう、この世界の唯一のプレイヤーのボクも、バグり始める時期ではないかと思うのだ。


ボクは決心した。しかしなかなか決心をするのにも勇気がいるらしい。


ボクは16歳である。まぁ今まで何度も言っているから今更と思うかもしれないが。

なんと、実は高校生である。こりゃたまげたよ。


ボクは毎日図書室に通っている。司書には嫌われているらしいが、それは今の司書になって以降、ボクが一度も目を合わせたり、挨拶をしていないからだろう。そりゃ怒れてくるというもの。

なぜ、そんなことをするのか。そんな些細な事ボクは知らないよ。無意識的にボクは人を避けてしまうからね。


まぁボクには人望がないことで有名だ。逆に有名なのだからそれだけ人望があるということでもある。この世界もいじわるなのかもしれない。


とりあえずボクは目立ってリーダーになろうなんてめんどくさいことは楽しくないので、図書室で、「ある」計画を立てたよ。司書さんの熱いまなざしを避けながら。


名付けて【名付けて『名付けて「名付けて…永遠に続くよ   作戦である


相変わらずセンスが無きにしも非ず。

名付けてという文字を作戦名に入れてしまえば、永遠に名付けてという文字を入れ続けなければならない、今さっき考えた作戦である。


 しかし、まぁ長いし、ボクは永遠が好きでない。

 まぁ頭文字をとってN作戦とでも名付けようか。


作戦の内容はまだ全然決まっていないけれど。。

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