短歌10首:雑多なテーマで その2

道端で泣く幼子の声に思う

幼き日々の

挫折と恥と


炎天の昼が過ぎ去り

夕暮れに吹き込む風は

秋の感触


黄昏にそよ吹く風は

幼き日

ドングリ拾いし林の香り


風浴びつつ窓から夜空眺めれば

雲間の月は

蜜柑の雫


朝の雲ぼやけて透かす

羽衣のような青空

朝日が照らす


山ぎわを沈みゆく陽が淡く染め

青を白緑

白緑を黄へ


カーテンを開いて外を

見渡せば

陰影浮かぶ朝焼けの街


朝日受け黄金に光る

水田に

静かにかかる家々の影


直角の黒い墓石が並ぶ側

赤い弧描き

彼岸花咲く


日が沈み星もまばらな宵闇に

月隠しつつ

光る浮雲

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