一欠片の詩

二輪ほむら

短歌10首:雑多なテーマで

図書館の文学全集

手に取れば

ズシリと響く歴史の重み


図書館の書棚ひしめく

言葉たち

見知らぬ世界からの呼び声


我が心

冷や汗流し青ざめて

平気な顔の仮面をかぶる


世の中に蹴られぬように

懐に

般若を隠し翁を見せる


何しても僕には普通が分からない

普通の人って

どこの誰なの


祭りなく花火上がらぬ

葉月の夜

詩集持つ手に涙の一滴


散歩道

本屋の前の街灯に

渦巻く虫の軌跡溶け合う


青かった稲穂の先に

黄がにじむ

酷暑なれども秋は隣に


網戸から吹き込む風の

涼しさに

ふと気がついた秋の訪れ


秋風に揺れる心は

すすきの穂

物寂しさにざわめく思い

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