第49話デビルアイ
――ダンジョン26階層。
この階層ではガーゴイル、人面樹、ゴーレムが一度に4体まで出現する。
だが今の状態で戦うのは難しい。
回復するのにエネルギーを消費し過ぎたのか、めちゃくちゃ腹が減って満足に戦えない。
と、いう事で。
(ベルゼブブ、ここは任せてもいいか?)
『仕方ねぇ、美味そうなモンスターはいねぇが、我慢して喰ってやるか』
ベルゼブブに頼むと、文句を垂れながらも了承してくれた。
意識が切り替わり、身体の支配権がベルゼブブに移る。
――その後、魔王化したベルゼブブが4体のモンスターを蹂躙し喰い散らかした。
「ゴチソウサマ」
ペロリと長い舌で口の周りを舐め取ると、満足したベルゼブブと身体を交換する。
「ふぅー」
元の身体に戻って、深く息を吐いた。
ベルゼブブが腹を満たしてくれたお陰で、身体の調子も万全になっている。
これで戦えそうだ。
よし、気合い入れていきますか。
――ダンジョン27階層。
この階層は一度に出現するモンスターが4体で、新たにデビルアイという飛行型モンスターが追加される。
デビルアイはサッカーボール大の大目玉に、蝙蝠の羽が付いたモンスターだ。ビジュアル的にはかなり気持ち悪い。
ドロップアイテムは『デビルアイの羽』である。
「「ゴー」」
「「イィ」」
早速ゴーレム2体とデビルアイ2体と遭遇する。
「「ィィィーー!!」」
「「ッ!?」」
デビルアイの目玉が光輝いた刹那、眩い閃光が迸った。
2本のレーザーは俺と西園寺へ真っ直ぐに向かって来る。俺は咄嗟に黒スライムの盾を眼前に出現させて防ぎ、西園寺は配下のギガントホーンによって守られた。
「大丈夫か」
「問題無いですわ」
よし、西園寺は無事か。
それにしてもあのレーザーはかなり厄介そうだな。軌道は直線的で躱しやすいが、速度と威力が高い。しかも離れた空中から好き放題に撃ってこられるだろう。
早めに潰しておいた方が得策だ。
「アロー」
長弓を纏い、落ちている岩石を装填する。
黒スライムの人外の膂力で弓引き、デビルアイに照準を合わせて発射する――寸前。
「あの野郎ッ!!」
デビルアイがヒラリとゴーレムの陰に隠れてしまった。
良いだろう。その
「喰らえ」
――パンッと空気が爆ぜる。
岩石が放たれると同時に、ゴーレムが両腕を交差する。
着弾。
ゴーレムの両腕が吹っ飛ぶ――ことはなく、完璧に受け止められてしまった。
ダメージはあるが、高威力のアローで仕留められなかったのは中々に口惜しい。
ゴーレムは動きが鈍い分、単体だと木偶の坊だが、壁性能が高く他のモンスターと連携されてしまうと途端に煩わしくなるな。
「ィィ!!」
「ちっ!」
再びデビルアイがレーザーを撃ってきたので、黒スライムで防御する。
バンバン撃って良い気になるなよ目玉の癖によぉ!
「蜘蛛糸」
「ィィ!?ィィィーー!!」
機動力はこちらの方が優っている。
俺は黒糸を発射しゴーレムに付着させ、伸縮移動で急接近する。
驚愕したデビルアイは慌ててレーザーを放つが、既に横の地面に黒糸を付けていた俺はその方角に移動して回避した。
「ナイフ」
「ィギャー……!」
接近しながら右腕に纏ったナイフでデビルアイを一刀両断する。
ふぅ、なんかスッキリしたな。
「クァ!!」
「イィ!?」
西園寺が配下にしたレッドバードが素早い動きで残りのデビルアイに接近し、口腔から火球を放って焼き殺した。
【支配者】スキルの影響を受けている仲間は強化されるので、レッドバードの動きも威力も段違いだ。
「「ゴー」」
残るは壁役のゴーレム2体。
サクッと倒して、次の階層に進もうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます