生きる意味
「あたしはさ、人が生きるからには最後は幸せになれると思うのよ」
久しぶりに話す君は、少し茹で上がったような謎の熱を帯び、微笑んでいる。赤髪のボブに合わせたような赤い色に。
「だってさァ、あたしらせっかくこの世に生まれたわけやん? この世に生を受けることができた。それは幸せになれるあかしなんよォ。わかる?」
少し首を傾げ、煽るような目つきで彼女は僕を覗き込んでくる。僕は頬を吊り上げ、タバコに火をつける。火をつけたときに肺に入った煙は全て彼女にかける。
彼女は露骨に嫌な顔を一瞬するが、すぐまた上気した頬を緩め、口を開く。
「だからさァ、あんたは生きなあかんと思うよォ? 誰しも幸せになれるんやからァ」
「世の中いろんなやばい人がいるんだけど、僕が異性を殺すことで快感を得るタイプやったら……、君は幸せになれるかな?」
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