仕事をこなしているうちに、平常心を取り戻して来た。
お昼休みになり、圭介は食事をするために一階に降りる。
「やっぱり、熱ぽいな…
美子の言った通り今日は休むべきだった。」
無理をして、出社したのだから具合が悪くなって当たり前、
何故、素直に休まなかったのか?
今になって悔やみ始めた時に、驚きが現れた。
「唯。」
圭介の目の前に、娘の唯が立っていたのだ。
「パパ。」
会社の入り口で親子は対面した。
「唯。
学校はどうしたんだ?」
「うん、パパとママが…」
全てを言わなくてもわかる。
低学年の娘の唯が、夫婦喧嘩の心配をして、学校を飛び出して来たのだった。
「唯、心配かけてごめんな。」
「うん。」
頷くと唯は帰ろうとした。
「待ってくれ、唯。
危ないから家まで一緒に行くよ。」
「大丈夫だよパパ、近くにママがいるから。」
そう言うと唯は駆けて行った。
「美子のヤツ、会いに来たなら、顔ぐらい見せれば良いのに。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます