午後になり、圭介は何時もの自分を取り戻していた。






テキパキと仕事をこなし、あっという間に帰宅時間になった。






「お疲れ様です。」






「お疲れ様。」






会社の皆と挨拶をし帰宅する。






美子と唯が好きな、ドーナッツを買って帰る事を思い立った。






「いらっしゃいませー。」






「えっとー。




これと、これを三つづつ下さい。」






圭介は、昔ながらのドーナッツを二種類頼んだ。






新商品が目立つ所においてあり、それも気になったが、やっぱり馴染みのあるドーナッツを選んでいた。






仲直りするからには、思い入れのある懐かしい方を美子にと選んだが、


唯の事も考えて新しいドーナッツも買うべきだったかなと、少し後悔した。








「お客さま、七百八十円になります。」






「じゃあ、千円で…




今日妻と喧嘩しましてね、仲直りするために好物を買いに来ました。」






なんで、こんな事話しちゃったんだろう?




恥ずかしいじゃないか。






「そうだったんですか、


仲直り出来るといいですね。」






店員は笑顔で、ドーナッツを渡してくれた。




胸のつかえを吐き出して、スッキリして店を出た。

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