電車
チャラチャラチャン。
「まもなく、三番線に電車が参ります。
明美と洋子は一番後ろの車両の真ん中に乗った。
明美は目の前に座る兄弟の話に聞き耳を立てていた。
「弟よ、お化けを信じるか?」
「うん、兄ちゃん信じるよ。」
「ほー、そうか弟よ、お化けは壁をすり抜けるよな?」
「うん、兄ちゃん、お化けは壁をすり抜けるよ。」
「はー、残念だ、実に残念だ、地球は凄い速さで回り、そしてもの凄い速さで太陽の周りを回っている、つまり壁等をすり抜けてしまうならお化けたちはどんどん宇宙においてけぼりさ。」
弟が残念そうな顔をして俯いている、兄弟はそのまま次の駅で降りた。
「洋子ちゃん今降りた兄弟の話聞いてた?」
「え、誰も降りて無いよこの車両には始めから私たちしかいないじゃない。」
明美は驚きを隠せなかった、兄弟の事もそうだが、一番後ろの端の席に、座っているおじいさんが見えていたからだ。
「明美ちゃん、二人だけの貸し切りだね。」
「うん……」
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