米粉を求めて、いざワフウへ!
第48話
「ちょ、ちょっと待ってください、国が相手ってどうゆう意味ですか?」
あまりのスケールのデカい爆弾発言に理解が追い付かない。
「落ち着いてください、その材料は、あるにはあります。
ですが、この国にはないんです」
「なぜなんですか?」
「そのワフウという国が余所に出さないからですよ。
協定も結んでないですし、そもそも他国とのあらゆる取引に応じないんです…」
「そんなのどうしようもないんじゃ…」
込みなしなのか…困ったな……。
「いえ、まだ絶望するには早いですよ?
話はこれからです。
実は最近、その国は主導者が変わりまして。
もしかしたら、という可能性があるんです。
現状その可能性に賭けるしかないんですが…どうでしょう、わずかもしれませんがその可能性に賭けてみませんか?」
「やりましょう!
やるしかないなら、やるだけです」
「わかりました、それなら手続きをしましょう。それにウルを同行させた方が良いでしょうな。しかし今回大変な危険が予想されます。
念のため、リッチくんは留守番ということで…」
「リッチの留守番はわかりますが、ウルの同行を奨めるのは何かあるんですか?」
ショーニさんは一瞬、何か逡巡する仕草を見せつつ答えた。
「その国はウルの故郷だからです」
「なんだって?!ウルってこの国の人間じゃなかたんですか?」
「はい、彼は亡命してきたんです。詳しい理由については私の口からは…」
…そうだったのか。
ウルにもいろいろあるんだな。
確かに出会った時は一匹狼的な感じで、自分から距離を作ってた感じだったしな。
何はともあれ、まずは準備をしなければならないな。
…リッチにはすまないけど。
今度社員旅行でもするかな?
オレがワフウに行くにあたり、王様との会談やらなんやらのが手続きが必要らしく、ショーニさんと役所とかあちこちを回りなんとか準備は整った。
「行き先はどんなところなんですか?
そういやなにも聞いてなかったですけど」
「そうでしたね。
行き先の国の名前はワフウ共和国、東にある島国です。島国だからか、いろいろ特殊な文化などがあるんですよ。」
へー、なんか聞いたことあるような無いような。
「行く方法は船です。丸1日乗れば着きますのでわりと早く着きますよ。そうは言っても船旅ですが、大丈夫ですか?」
「たぶん」
船酔いはしない体質だから大丈夫だと思う。
そんな心配よりも異世界の海や船への好奇心が勝っていた。
「では明日港で待ち合わせましょう。」と約束し商会前で解散する。
その夜は少し緊張していたのか、寝付けが悪かった。
この世界に来て初めての外国。
…あ、ここも外国か。
とにもかくにも悶々としながら床についていたからだ。楽しみな部分と、手に入らなかったらという不安が入り交じっていたのも要因だろう。
さて、ワフウか。
一体どんなところなのだろう。
いろいろ考え、うとうとしていたら朝を迎えてしまった。
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