第2話「遭逢」
僕はやはり違和感を感じ、心では怖く思いながらも自分の中の疑問をそのままにしておくことは出来なかった。好奇心旺盛という自分は厄介な性格だなと思った。
「(4号館へはこっちの方が近いか……)」
とっとと確認して早く帰りたいという気持ちで僕は自然と近道を小走り気味に走っていた。他の先生を見つけて一緒に行くということも出来ただろうがそんな大事にすることはないだろうという感じもあった。
僕は4号館の近くまでいくと忍び足になった。そして例の武装している4人ほどの集団を見つけた。
「何であんな物騒な格好をしているんだ…?」
最初はサバイバルゲ-ムの真似事かと思ったが武装に関しては本格的すぎるし、何より学校の公認の部活動ならわざわざこんな下校時間が過ぎた時間にするわけがないと普通なら思う。
「何だろう…何か話してるみたいだけど…」
もう少し近づけばよく聞こえると思うのだが、自分自身の防衛本能がこれ以上近づいたらやばいと認識しているのかこれ以上近づくことは出来なかった…。
「やはり開きそうにありません…何か特定の……」
「ここは……」
何か言っているようだがどうやら何かを探しているように思えた。
これ以上ここにいると危険なような感じがしたので僕は校舎に戻り、宿直の誰かにこのことを伝えようと僕は立ち上がった。
不意に僕は立ち上がりその場から離れようとした時、僕は地面に落ちていた小枝を踏んでしまい「パキッ!」
と音を出してしまった。
「まずい!」
そう思った瞬間例の武装集団がこっちに気付いた。
「誰だ!」
「逃がすな!」
そう言葉を発したのが聞こえた瞬間僕はやばい!と思い僕はその場を全力で逃げた。
僕は無我夢中で逃げた。
自分の本能が捕まったら命の保障がないと思った。
しかし距離は結構離れてたもの段々と距離が近づいているのが僕にはわかった。
僕の予想が正しければおそらく腰につけていたのは拳銃。状況から考えてどうしてもモデルガンの類とは思えなかった。
「(どうする……このままじゃいずれ追いつかれるのは確実だ…)」
逃げる先に学校の禁止区域に繋がる道があった。
「しょうがない……」
僕は少し躊躇したものの、自分が生き残るための手段として禁止区域に迷わず向かった。無論道がちゃんと舗装されていなくデコボコの道や草木が続いていった。しかし彼らは一心不乱に僕を追いかけてきた。こんな夜道で足元も暗い中そんな正確に追っかけてこられるということは彼らが頭につけていたのはおそら暗視ゴ-グルとかの類なのだろう。
「はぁ…はぁ…まずい……このまま逃げるだけじゃ確実に捕まる…。どこかに隠れないと…」
すると先に古びた小さい施設風の建物を見つけた。
「(ここに隠れてしばらくやり過ごすか…)」
僕はそう思い建物に入ろうとしたがドアの前に装置が付いていた。おそらく施錠のためのシステムだろう。
「壊れて簡単に開くとかないかな…」
僕は試しにその装置のちょうど手のひらが収まるくらいの黒い部分に手を触れてみた。
「……認識シマシタ。ドアノロックを解除シマス…」
「えっ……」
重厚な分厚いドアがいとも簡単に開いてしまったことに僕は少し驚いたのと同時に安堵もした。
「…壊れていたのかな……何にしろここに少し隠れよう…」
僕は建物の中に入った。
もうだいぶ人が訪れた感じではなかった。おそらくかなりの時間放置されていたという感じだった。埃も大分溜まっておりかび臭かった。
「ん…地下室がある……?」
もしかしたらどこか抜け道があって安全に逃げれる通路があるかもしれないと思い僕は下に降りていった。
「ん…何か機械がいっぱいある……」
僕は何だか奇妙な感覚に襲われた……。懐かしいというか、デジャブみたいなことだろうか。
「……何だろう、細長い大きいカプセルみたいな機械があるけど……あれ、何だこれ……!」
呆気に取られてしまった。信じられないかもしれないが、カプセルの中に10代半ばぐらいの少女が眠っていたのが透明なガラス部分から見えた。
「……人間?それともヒューマノイドなのか?」
しかしヒューマノイドにしても明らかに肌や見た目が人間と全く同じでとても作り物には見えなかった。
「もしかしたら死体かもしれないし、そう思うとこのまま放置することもできないなぁ…」
僕は装置のまわりを調べたが、どうやって開けたらいいのかわからなかった。するとカプセルの下のほうに見たことある装置らしきものがあった。
「…あれ?これドアにあった装置と一緒のやつだ……。そういえばさっきこの黒いとこを触ったら開いたな。」
徐に黒いとこに手のひらを当てると、急に装置が光だした。
ゴゥゥゥン!
「確認シマシタ…。ロックを解除シマス…」
「また開いた…どうなってるんだ…?」
機械の音声と共にカプセルのガラス部分がゆっくり開いた。
するとカプセルの中に入っていた少女が目を開けた。
少女は辺りを見回してこちらに気付いたみたいだ。
「よかった死体じゃなかったみたいだ……」
すると少女が僕の目を見てこう言い放った。
「やっと…私を見つけてくれた……」
「えっ……見つけてくれたって?」
「…ノエル、やっと会えたね……」
「なっ!…何で、ぼ、僕の名前を……!」
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