第13話 水中戦の悪魔2/2
本文
敵の
さっきコックピット付近にアンカーショットの攻撃を受けた
目の前の大物であるジェラルド・R・フォードと言う敵艦の艦橋を吹き飛ばすことに執念しすぎていた、故に岳斗のミサイルに気づくのが送れた、ミサイルは陽電子砲に見事命中した。陽電子のエネルギーが臨界点に達していたため、陽電子砲を中心に機体のほとんどが爆煙に飲まれた。
「よし、やったか」
岳斗は盛大にフラグを建築する発言をしながら敵の様子を伺っていた。その時だ、機体から『ギシギシ』と関節が軋む音を鳴らしながら立ち上がっていた。岳斗は内心「言うんじゃなかった」と思っていたが、敵は関節の異常だけでなく制御系にも異常を来たしているようで、機体の操縦に遅延が発生しているようで、あまり自由に動ける状態ではないらしい。
「なら速攻で終わらせる」
そう言って岳斗は152mmガンランチャーから弾を打ち出す。敵はそれを徹甲弾と考え腕を使って防御姿勢を取った。放たれた弾はシールドを兼ねている敵の武装に命中した、しかし爆発は起こさず周囲に大量の白色の煙を充満させた、スモークだ。
敵は自分がスモーク弾の煙の中にいることに気づき、咄嗟にバックステップを取った。そして着地した時だ、機体は足を滑らせ大きな音を立て転倒した。敵はさっきの奇襲の時に大破させたアクア・リグドグを踏みつけバランスを崩したのだ。
岳斗はそれを晴れ始めたスモークからうっすらと確認した。これを好機と考えた岳斗は、起き上がろうとする敵に突撃を開始し、すぐに腰の粒子刀に手を取りだし粒子による赤熱化した刃を展開する。
「なっ...!?」
しかし、岳斗の進む方から薄くなってきたスモークの煙をぬけあるものが飛んできた、アンカーショットだ。アンカーショットは運良く粒子刀を保持していなかった左腕を持っていった。この時の衝撃は機能停止寸前の岳斗の機体には大きすぎるダメージだった。その為機体は足を1歩踏み出した状態で、その場で動きを止めてしまった、今度こそ本当に動かなくなってしまったのだ。動かなくなったと言ってもモニター、計器類はまだ生きている。メインモニターには今度こそ完全に息の根を止めるつもりで近づく敵機体があった。
「おい!動けけ!あと少しだ、あと少しなんだぞ!こんな所で死ぬたまじゃねぇーだろ!へばってねーでさっさと動けこのポンコツがァ!」
こう叫んだ時だ機体に装備されているジェネレーターが大きな音を上げ始めた、今までに聞いたことの無いほどに大きな音だった。フロントタシェットアーマー内部にある排気ダクトから排熱時に出る水蒸気もいつもの倍以上の量が排出されていた。
敵には最初のようにフェイントを入れる余裕は内容でそのまま片腕を振り上げ岳斗に叩きつけてきた、岳斗は左に回避を行う、驚くことに機体はいつもと変わらないかそれ以上の反応速度を見せた。まるで自分の動きを読み取るかのような軽やかな動きを見せたのだ。大破している機体とは思えない反応速度だった。だが岳斗はそんなこは気にもとめず敵に切りかかる。
「くたばれ、この野郎!」
叫びながら右上から左下に向けて敵機体に斬撃をお見舞する。粒子刀は敵の右肩から入り込み機体中央を通りそのまま真っ二つに敵を切り裂いた。敵機体はこの斬撃をくらい少し後ずさりした後に、そのまま後ろに倒れた、敵の残骸が爆発を起こし巻き込まれると覚悟していたが、幸運か爆発は起こさなかった。
「ふぅ...、爆破しない。しっかしなんだったんださっきの動きは...」
今になって岳斗はアクアリグドグの最後のあの反応速度に疑問を覚えた、だが疲れたこともあって体の怪我を構いながらそのままコックピット内で気を失うように眠ってしまった。
この戦闘で岳斗が飛行甲板で戦闘していたにもかかわらずジェラルド・R・フォードは沈まずに健在だった。その他の艦はフリゲート数隻と、コルベット1隻、そして、ジェラルド・R・フォード1隻のみとなった。発艦したBBも、敵を全滅させることこそできたものの結局帰ってきたのは12機中3機のみだ。そして、この戦闘でも岳斗の仕留めた機体より捕虜の捕縛に成功した。しかし、その兵士のつけていた国旗をあしらったワッペンは、先日星空たちの手によってほ、捕縛された兵士のつけていた国旗とはまた別のもロイヴィア連邦共和国の国旗であるとわかったのはもっとあとの話だ。
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