第12話 水中戦の悪魔1/2
統一歴173年6月30日
小惑星の落下から6日がたった。その間に世界中ではその小惑星の話題で盛り上がっていた。「あれは、地球を1発で壊滅できる爆弾だ」「いや、地球を汚染していくつもりだよ、俺たちはこれから地下暮らしかな」「きっと、核の冬を起こすつもりだったんだよ」など様々な憶測が飛び交っていた。だが、政府は未だにこれが同じ人類からの攻撃であることを公開しなかった。協商国議長の真意を知る者はいない。
同日太平洋ミッドウェー島付近
深海、約600m地点
米海軍所属潜水艦オハイオ、今この潜水艦に近づく黒い影が4つあった。
「現在深度600、もう少しで作戦海域に到着します。」
作戦というのは先日宇宙軍が仕留め損なった、あの巨大人工物の捜索である。彼らは目標物である人工物を発見した場合、直ちにそれを魚雷を使って全力で破壊しなくてはならない。しかしこのミッションは簡単なものではなく視界のない暗闇の海底でソナーと言う音波を出して、地形などにあたり帰ってきた音波で敵を探る道具を使い目標物を見つけなくてはならない。見つける方法は潜水ドローンでも可能と思われたがドローンでは何故か、途中で壊れてしまうことがわかった。それも通信用ケーブルで繋がっているタイプでもだ。そのため米軍は強引に危険を顧みず有人の潜水艦を使い捜索に乗り出したのだ。
「何だこの音...集音器に感あり、今までに聞いたことの無い音です。数は4」
この数分後オハイオは消息を絶った。
この情報はすぐの太平洋に面する各国の海軍に伝わった。各国はすぐの主力の艦隊とともに、潜水艦の救助を行う艦種である。潜水艦救難艦を同行させた。
アメリカ海軍太平洋機動艦隊旗艦、ジェラルド・R・フォード級原子力空母1番艦ジェラルド・R・フォード、アメリカ海軍の誇る大型航空母艦だ。この艦を中心とした大規模な艦隊が、潜水艦オハイオの救助のためオハイオが消息をたった海域に近づいた時だった。
救助艦隊の防空を担う、
「レーダーに感あり。距離130マイル、速度32ノット」
この情報はすぐの旗艦ジェラルド・R・フォードの艦長カイザー・トランプへと送られた。
「その所属不明艦へ通信はしたのか」
副長へ疑問を投げかける。
「はい、通信で所属を聞いてるものの以前回答はありません」
「そうか...よし、偵察機を出せ」
その命に従い、飛行甲板に駐機していた無人偵察機RQ-56 グローバルホークを発艦させた。
数分の飛行の後、グローバルホークは所属不明艦の全体を撮影することに成功した。その艦の姿は地球協商には所属していない、見たことも無い艦影だった。艦中央に対艦用の4連装砲を艦首に2機、艦尾に1機の合計3機。そして、艦橋とそれを挟むように左舷、右舷共に大きな飛行甲板があった。戦艦と空母混ぜたような作りだった。
それを知ったカイザーは、
「...何だこれは、動く島みたいだな」
その時だ
「ソナーに感あり、数は...3いや4、これは...早いですもうすぐそこまで来てます」
「なんだと、駆逐艦は何をしていたんだ。総員対潜戦用意、配置につけ」
大きな水しぶきが起こった。水中での爆発ではない、水中に居るはずの4機が水上へ現れたのだ。見た目は魚雷の形をしたその
それを見たカイザーはすぐにBBを発艦させようよした。がしかし、敵はそれを許さなかった。すぐさま水中にいた他の3機のBB達が護衛艦や、駆逐艦の攻撃をかいくぐって、ジェラルド・R・フォードの元へ集まる。2機は飛行甲板に乗り込み、残りの1機は既に発艦を終えた機体に対して攻撃を始めた。
飛行甲板上で発艦待ちだった、水中型リグドグ、アクア・リグドグと敵機体との戦闘が始まった。
敵のBBは、右腕に搭載された機関銃で牽制射撃をしながら接近し、斬り掛かるように左腕大きく振り上げるフェイントを入れ、逆の左腕下部に装備したアンカーショットをアクア・リグドグコックピットにめがけ打ち込む。狙われた機体のパイロットである
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