第7話 呼び出し
メッセージの送り主はアドリアン隊長だった。
内容は...
明日、午後1時に私の部屋へ来てくれ、話がある。と言う内容だった、明日と言うのは今日のことだ今は午前11時を過ぎたあたりだ。多分こんなに遅く起きたのは初めてなんじゃないかと思うほどだった。今、星空は24時間の休憩時間なのだ。3日間作戦行動を行うと最低でも24時間の休憩を与える。これが協商軍のルールなのだ。
時間は12時半、星空かなたは呼び出しの時間よりも30分も早く来ていた。
「まあ、早く来てしまったな...」
そんなことを口にしながらドアをノックしようとした...
「やっぱり、君は早いね約束の時間より28分も早い」
突然目の前のドアが開きアドリアンがでてきた。
「さっ、入りたまえ。残りの2人が揃ったらそのまま艦長室に行くからな」
「は、はい...」
星空は、さっきの急にアドリアンがドアからでてきた時の余韻が残っているのか少し小さめに返事をしていた。
「まあ、立っていると疲れるだろ。そこにでも座ってろ」
目の前にある椅子へと腰かける。
「で、どうだい調子は」
満面の笑みで聞いてくる
「最高ですよ。あることを除いては」
「あることとは?」
アドリアンは少し小馬鹿にしたように星空に聞いてくる。
「どっかの誰かさんに、無理やり酒を飲まされたことかな」
嫌味を混ぜながら言い返す。
それを聞きアドリアンは「ガッハッハッ」と大きな笑い声をあげた。
「そいつは良かった元気そうじゃねぇか嫌味が言えるならまだ行ける(飲める)な」
冗談じゃないそんなことを思いながら持参したみぞれ飴を舌の上で転がしていた。アドリアンもみぞれ飴が気になるのか手を伸ばしてきた。いやいやひとつ渡したら、いい顔しながら食べていた。
そして、1時になってアドリアンの言う残りの二人がやってきた。
コンッコンッ、とノックをした後に「アドリアン入るぞ」と聞き覚えのある声が聞こえた。「ああ、入ってくれ」アドリアンは出迎えもせずに声をかけたが。それを言い切る前にその声の主は入ってきた。
「やあ、星空少尉さっきぶりだね」
「ああ、どうもさっきぶりですね曹県準チョ・ヒョジュン少佐」
と、少し県準ヒョジョンとの会話をした直後の県準ヒョジュンの後ろにいた影が、急に動き始めた。
「やぁ、星空じゃないか。」
ハキハキとしたいい声が響く、だが星空にとってはこの艦の中で1番聞きたくない者の声だった。
彼の名はジェイコブ・マッケンジー階級は星空同じ少尉。県準ヒョジュン少佐と同じ
第254空間戦闘機大隊所属のエースだ。そして星空を未だに女だと信じきっている、色々な意味で熱い男だ。
「隊長ちょっと体調が悪いんで御手洗いいですか?」
あからさまにここから抜け出そうとしている星空だが、それを見逃す訳もなく。
「おい星空、誰がうまいこと言えと言った。ついでに逃げようとするな」
逃げようとする星空をアドリアンが止める。
「おやおや星空、体調が悪いのかい?だから最近は君の姿を見ないわけだ」
『ちげぇよ!おめぇのこと避けてたんだよ!』そんな心の声も届くはずもなく、
「ならこの僕が君を部屋まで送ろう!うん、それがいい!そしてちゃんとお姫様抱っこでね」
最後にウィンク。
「お前らイチャイチャするなよ」
アドリアンがやっとこの流れを止めた...と思いきや。
「やりたいなら用事を済ませてからにしろ」
わざとらしく笑いを堪えながら言う。仕舞いには
「君たち仲がいいね」
「県準ヒョジョン少佐までやめてくださいよ」
おそらくこちらも遊んでいる。そしてトドメの
「星空、君の国ではこういう言葉があるらしいじゃないか」
星空はその言葉を聞いてもう嫌な予感しかしなかった。
「嫌よ嫌よも好きのうちと、だから今はツンデレのツンの部分なのだろ?何時かはデレが出てくるのだろう?だからそれまで僕は待っているよ星空」
女性から見たらすごくいい笑顔で一目惚れしてもおかしくはない笑顔だが...星空には逆効果どころか通用しない。
『こいつ何言ってるかわかんねぇ〜』
星空のジェイコブに対する嫌悪感がまた増加したところで一同は艦長室を目指した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます