第19話 師ではないのに何故走らなければならないのか?

気付けば2019年も残すところ10日ほど。


本当にあっという間の1年だった。「こんなに早い1年は初めてだなぁ」と去年の暮れに心のそこから思っていたはずなのに、僅か1年であっさりと記録を更新してしまった、そんな気分。きっとこうやって毎年毎年「こんなに早い1年は初めてだなぁ」の記録更新を継続していくことになるのだろうと感じている師走の夕刻。


人と接することが特に多かった今年の師走。1日に複数の客先に赴かなければならない日もあり、とにかく毎日のように取引先の人たちと取っ替え引っ替え顔を合わせていた。まぁ別にトラブル対応とかではなく、どれも建設的な打ち合わせではあったのだけれど、弊社は私1人、取引先は3,4人なんてこともザラで、気疲れが半端ではなかった。


取引先との打ち合わせのある日は本当にどっと疲れる。しかも、客先から戻る時間帯が帰宅ラッシュと重なっているような日は最悪だ。値踏みされているような視線に散々疲れた挙句、満員の電車内でとどめを刺されるような…。


今月は、総じてそんな1ヶ月だった。仕事をしているんだか、ただ苦行に耐えているんだかわからないような。あぁそうか、今の仕事は=(イコール)苦行なのかもしれないな、なんて思いながら過ごした1ヶ月だった。


師走は忙しない。自分も忙しないし、周りの人たちも皆、忙しない。ただでさえ周りのスピードについていくのがやっとなのに、いつも以上に加速されたらついていけなくなってしまう。こちらはいつもアクセル全開でやっとついていっているような状態なのだから、周りの人たちが少しアクセルを吹かしたらすぐに置いてけぼりをくらってしまう。


先週と今週は、平日は毎日睡眠薬を飲んで床に就いた。仕事が立て込んでいるプレッシャーか、それとも日中の忙しなさで交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていないからなのか、どうにも寝付けるような気がしなかったから。そして、眠らないと翌日仕事にならないから。


とはいえ、薬を飲めば眠ることができる。少なくとも、2時間も3時間も眠れないなんてことにはならない。それだけでもだいぶ有難い。

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