第8話 HSPという定義を持て余し気味だった1週間
HSPの存在を知ってから1週間余りが経過した。その存在を知った当初は、今まで自分のなかで解決できなかったモヤモヤが解消されたというか、何か答えのようなものが突然眼前に現れてくれた気がしてどこかほっとした。
しかし、今この1週間を振り返ってみると、HSPという定義を持て余したまま過ごした1週間だったように感じる。
確かに、HSPというものを知って気が楽になった面もあった。「メンタルが弱い」「気にし過ぎ」といった言葉を投げかけられる度に、それをそのまま真に受けて「私はメンタルが弱い」「私は些細なことを気にし過ぎる」という認識を強めて自己肯定感をひたすらに下げ続けていた。しかし、HSPを知り、自分自身がその特徴の多くに該当することを知り、それが生来の気質と言えるものであるということを知ったことで、そんな自分をほんの少しだけ受け入れられたような気がした。そして、メンタルが強くて少々の出来事は気にせずに前に進んでいけるような人格に無理をして作り変える必要がないのだと感じた。
ただ、HSPというものを知ってから、どうにも日常の様々な出来事やそれによって自分自身の中に生まれる感情をなんでもかんでもHSPと結びつけて考えようとしてしまっているような気がしている。なんというか、HSPという枠のなかですべてを捉えてしまっているというか…。これもまた、なんとも言語化が難しい感覚だ。
HSP”かもしれない”という認識のもとで、自分の気質を理解することは必要かもしれない。しかし、HSP的に生きる必要はない。
“HSP”であるか否かとは関わらず、自分らしく生きる。
そういった意味で、強靭なメンタルを持った自分自身を再創造しようとすることが”自分らしくない”のと同様に、HSP的に生きることもまた”自分らしくない”のだと思う。
HSPという与えられた定義ではなく、自分自身の手で自己を定義して生きていくことのなんと難しいことか。
そんなことを感じている雨の週末。
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