射程極振りを見て、徐に地図アプリを開く。
300m先から狙撃されるだけでもほぼ特定出来ない。500m、まして1キロ先からならこれもうわかんねえな状態。
超射程で敵のギミック無視して無双するんだろうなとワクワクして読んだけど、射程生かした場面はほぼ無い。
長くても50〜100mくらい。
大半は近接戦で技の撃ち合いというか、なんなら中盤で射程捨てた職に付いて「長過ぎる射程は意味ないな」とか言ってる。
低いステは装備でカバーしてバランス型になってるし、唯一低い魔攻も作中でなんらマイナスになることはなく、雷だの破魔だの平気で使う。
特に説明ないけど命中率が理不尽に高い弓おじさんの物語。内容は普通のVRモノ。
主人公は強いが独りよがりの所謂なろう主人公ではなく、MMOならではの要素もしっかりと押さえられている。物語は主人公の一人称視点で進むのだが、ときどき差し込まれるNSO総合スレが大変いい味を出している。NSO総合スレはたいへん"それっぽく"没入感が高い。スレを読んでいると、まるで自分自身もこの時代に生きていて、実況プレイ動画やwikiを漁って情報収集をしているようで、主人公に感情移入するのでなく、みんなで主人公を見守っているような感覚になる。更新が早いのもうれしい。小説を待っているのというより、弓おじのブログの更新を待っている。そんな錯覚を覚える。