After Data.2 弓おじさん、燃える
……と、その前にステータスや装備を再チェックしておこうか。
久々に危なそうなところに乗り込むし、自分がどれほどの強さか、何が出来るのかを確認しておくに越したことはない。
スキルは特に数が多いから、俺自身存在を忘れかけてる物もあったりするしな。
「ステータスを表示!」
◆ステータス
名前:キュージィ
職業:
Lv:24/50
HP:220/220(+60)
MP:240/240(+100)
攻撃:455(+365)
防御:270(+230)
魔攻:40
魔防:190(+160)
速度:140(+90)
星域射程:1090(+330)
スキル:
【超弓術Ⅰ】【会心の一矢】【
【インファイトアロー】【バウンドアロー】【クリアアロー】
【インフェルノアロー】【トライデントアロー】
【ドリルアロー改】【レターアロー】【ガトリングアロー】
【サンダーアロー】【フラッシュアロー】
【
【真・不動狙撃の構え】【狙撃の眼力】【獣王威圧の眼力】
奥義:
【裂空】【インドラの矢】
【ワープアロー】【アイムアロー】【ビッグアロー】
合体奥義:
【流星弓】【
ミラクルエフェクト:
【
◆装備
頭部:風流の蛇襟巻
右手:機神弓・天風叢雲
左手:(機神弓・天風叢雲)
両腕:雲穿の弓懸G
胴体:風雲の陣羽織
脚部:風受の武者袴
両足:羊雲渡の足袋
装飾:〈海弓術・七の型〉、〈鏡写しのミラアリス〉、〈破魔弓術・四印〉
まあ、最強パーティ決定戦の時からあまり変わっていないな。
対人戦のイベントでは経験値は入らないし、レベルも大して上がっていない。
大きな変化と言えば、プレイヤーが『MEメダル』を所持している場合、ステータスにミラクルエフェクトが表示されるようになったくらいか。
『MEメダル』は装備するでもなく、使用するでもなく、ただ持っているだけでミラクルエフェクトを使用可能にする特殊なアイテムだ。
最強パーティ決定戦ではこのミラクルエフェクトが乱舞し、その使いどころによって勝敗が決まった試合も多い。
ゆえに『MEメダル』をまだ持っていないプレイヤーが『MEメダル』を求める声は日に日に大きくなる一方だが、これは一種のコラボアイテムだから常時手に入るわけじゃないんだよなぁ。
『メダリオン・オンライン』というゲームの管理AIでありながら、アイドル活動もこなす『チャリン』という少女と『Next Stage Online』が再びコラボする時が来れば、きっと『MEメダル』もまた手に入るようになるだろう。
チャリン本人は非常にプレイヤーに親身なAIなので、きっと何とかしてくれるはずだ。
「ガー坊の方も見ておくか」
ガー坊もガー坊で出来ることが多いから、相棒である俺がスキル奥義を把握しておかないと、その実力を存分に発揮させてあげることが出来ない。
自分のステータス以上にしっかりチェックだ。
◆ユニゾンステータス
名前:ガー坊(レイヴンアリゲイト)
種族:魚/機械
Lv:68/100
HP:180/180
MP:340/340(+220)
攻撃:650(+375)
防御:265(+70)
魔攻:225(+85)
魔防:210(+70)
速度:245(+15)
◆スキル
【毒耐性Ⅴ】【マシンボディ】
【ストレイトダーツ】【赤い閃光】
【ホーリースプラッシュ】【エネルギーシザース】
【
【まきびし】【エナジーシールドⅢ】
【マジックジャミング】
◆奥義
【赤い流星Ⅱ】【
【
◆合体奥義
【流星弓】【
◆装備
Ⅰ:
Ⅱ:マルチプル・フィッシュポッド
Ⅲ:超Eジェネレーター(Eタンク連結型)
Ⅳ:オクトパスキャノン
Ⅴ:
ガー坊もまた最強パーティ決定戦の時とさほど変わっていない。
高火力かつ奇策も得意とするガー坊がいなければ、俺のソロ活動はままならないだろう。
それほどまでに頼れる相棒だ!
うーん、見直せば見直すほど万全の状態だとわかるな。
回復アイテムのストックも十分だし、戦う準備は出来ているって感じだ。
「よし、今度こそ乗り込むぞ! あの火山に!」
「ガァー! ガァー!」
確認中も雲は【風雲一陣】が起こした風に乗って火山に進んでいた。
近づけば近づくほど、その雄大さに
しかし、最初から逃げ出しては何も始まらないと俺は知っている。
危なくなってから逃げろの精神で、前へ前へと突き進む!
「あ、進まなくなった……」
火山から吹く熱風と【風雲一陣】で吹かせる風の勢いが拮抗しているということか……。
雲に乗ってこれ以上進むのは難しそうだな。
では、地上に降りる……必要はない。
俺にはこの最強の奥義がある!
「ワープアローで火山にワープだ!」
かつて、こいつがNSOメダルとの交換で貰える『スキル』だったとは思えない。
『奥義送り』になってクールタイムが付いた今でも、【ワープアロー】は最強クラスの性能を誇っている。
手に入れたその日から、最強パーティ決定戦の決勝戦まで、こいつが活躍しなかった時はない!
いや、陣取りだとそもそも使用が禁止されてたっけ?
まあ、ほぼほぼずっと俺を支えてくれている最強クラスの奥義であることは確かだ。
今回も俺を助けてくれ……!
「流石に火口付近にいきなり突っ込むのは危険だ。ここは一度、足場が良さそうな山の中腹あたりにワープしておこう」
キリリリリ……シュッ!
矢は眼下の火山の山肌に突き刺さり、俺は一瞬でそこへとワープした。
ちなみにガー坊は引っ込めてあるので一緒にワープ出来る。
イベントでは5人目の仲間として扱われていたので、出したり引っ込めたり出来なかったが、通常のフィールドでは危険を感じたりワープする時は戻してあげればいい。
「ぐうう……暑いな……! これは以前足を運んだ密林以上の暑さだ……!」
だが、これはゲームなので呼吸が苦しくなることはない。
普通に体は動かせ……あ゛あ゛っ!?
「装備が……燃えてる!?」
炎に触れたわけでもないのに、風雲装備に火がついている!
足袋、袴、羽織、弓懸、襟巻、そして……弓に至るまですべてが燃えている!?
しかも、HPまで削られてるのか……!?
「まずい……ッ! スターダストアロー!」
この火山フィールド自体に装備を燃やし尽くすほどの火力があるんだ……!
でも、プレイヤーにそこまでの熱を体感させるわけにはいかないから、肌で感じる分には普通に行けそうな気がしてしまう!
それが罠になっている……!
立ち入るだけでこんなことになるとは……!
とにかく天空に逃れるんだ……。
間に合ってくれ……!
その時、火山が再び噴火した。
もくもくと吹き上がる煙、噴き出すマグマ、飛び散る岩石……。
俺は運悪くその煙の中に入り込んでしまい、浴びる熱の量がさらに増してしまった。
【スターダストアロー】は敵の強力な攻撃だって相殺できるだけの力があるが、フィールドという名の自然がもたらす熱に抵抗することは出来なかった。
俺の装備は燃え尽き、HPはゼロになった。
そう、本当の冒険はこれからだったんだ。
新たな戦いは、炎の中から始まった……!
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