第2章 初めてのスキルと異世界の街
#4 自分が出来ること
視界は光に包まれたまま、体が浮遊するような感覚がある。 例えるなら、遊園地にある上から下に一気に落ちる系のアトラクションのような感覚。 無重力だと、こんな感じなんだろうか?
そんな感覚も徐々に収まり、視界を包んでいた光も少しずつ晴れていく。
そして、どこかに着地した感覚と同時に視界が開ける。
そこは、青々とした木々や、見たこともない植物が生えている森の中だった。 森の中といっても、ジメジメしたような森ではなく、木漏れ日が所々差し込み、どこか安心するような森だった。
これも、フォルティが気を利かせてくれたのかな? 転生先が砂漠とか海の上とかじゃなくてよかったな。
さて…、まずはどうしようか。 まずは、街に行って色々と情報が欲しいな。 っと、その前に、フォルティに言われたことをやっておこう。
「えーっと、ステータス?」
そう唱えた瞬間、目の前に何かが広がる。
「…空中ディスプレイ?」
そう、SFの世界とかである、空中ディスプレイだ。 端っこを触ってみるとタッチパネルみたいな感じで操作できるみたいだ。 便利だな。
「これが僕のステータスってことでいいのかな?」
ショーマ=ケンモチ Lv1 男 17歳
種族:ヒト種
職業:鍛冶師 Lv5 魔導師 Lv5
ウェポンマスター Lv5
スキル:言語知識 Lv10
家事 Lv8
運命神の加護(隠蔽) Lv10
HP:1500
MP:1200
力:300
速:100
技:500
守:150
魔:300
運:1000
スキルポイント:0
…色々とツッコミたいけど、ひとまず置いておいて、スキル欄の言語知識はフォルティがつけてくれたみたいだな。 たしかに、言葉が分からないと始まらないし、これに関しては感謝だね。 家事はなんでだろうか? 今度フォルティに会ったときに聞いてみるか。 まぁ、あっても困らないよね。
「これ、スキルの詳細とか分かんないのかな?」
試しに、最近の携帯電話とかの機能であった音声入力を思い出し「言語知識についての詳細を教えて」と言ってみた。
結果は無反応。
んー、ステータスって唱えてこの画面が出てきたからいけるかと思ったんだけど違うみたい。
あ、画面ってことは、そういうことかな?
ふと思い立ち、言語知識の項目を指でタッチしてみる。 すると、
言語知識 Lv10:あらゆる言語が聞き取れ、話し、書くことが出来る。 レベル10のため、全ての言語に対応し、その言葉が母語の者たちと同レベルに使用することが 可能。
ふむ、なるほどなるほど。 スキルの意味も分かったし、このパネルの使い方も分かったな。 大体の操作はよくあるタッチ式のディスプレイとかと同じみたいだ。
「えーっと、どこから調べようかな…」
まずは、職業からいくか。 とりあえず鍛冶師からいこう。
そう考え、まずは鍛冶師のスキルの詳細を見てみる。
鍛冶師 Lv5:様々な素材を使って、武器や防具、他にも色々な物を作ることが出来る。 Lvが上がることで、加工が難しい素材を扱うことが出来るようになり、より高性能な物が作れる。 技術のパラメーターに補正大。 ショーマ=ケンモチのユニーク職業。
職業スキル:鉱物支配 魔法付与 属性付与 武具製造 アイテム製造 合成 分離
Lvが上がることで使える素材が増えるのか。 スキルに関しては、さらに調べてみたら詳細が分かってきた。
鉱物支配は、自分が触れている鉱物の形を想像した通りに変えることができるみたい。 魔法付与と属性付与は自分が使うことのできる魔法や属性を、武器やら防具やらに付与して、特殊な性能を付けることができるみたいだけど、素材が付与に耐えられる限界があって、素材によって変わってくるみたいだ。 武具製造、アイテム製造はただ単に効率が良くなって、作業にかかる時間が減るスキルのようだ。 合成、分離はその名の通り、2つの鉱物を合わせて合金にしたり、鉄鉱石から無駄な部分を取り除いて純鉄にすることが出来る。
…このスキルかなり強くないか? 武器屋でも開けそうなポテンシャルを秘めてる気がする。
色々と試してみたいが、他のスキルも確認しないとね。 残りの2つも見てみよう。
魔導師 Lv5(魔法使い Lv10):魔法使いの上位職。 各種魔法使いで使うことの出来る属性魔法はLv10で使え、それ以外には、新たな魔法として、鑑定魔法、収納魔法を使うことが出来るようになる。 自身の魔力、魔法を使う際の消費魔力、威力に補正大。
職業スキル:火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 光魔法 闇魔法 支援魔法 鑑定魔法 収納魔法
ウェポンマスター Lv5:あらゆる武器の扱いが上手くなる。 HP、力のパラメーターに補正大。 ショーマ=ケンモチのユニーク職業。
職業スキル:武器操作
うん。 強いね、文句なしに。 ユニーク職業2つ持ちって大丈夫なのか? Lv5ってことは中堅冒険者並みの力があるってことだよね?
チート使って無双! みたいなのをしたかった訳では無かったから、自衛出来るくらいの力があればいいと思ってたんだけど、強すぎる気がする…。
まぁ、これがこの世界の普通かもしれないし、詳しい事は街に行ってから考えよう。
あと、調べてない事は、加護か。 ……ちょっと確かめるのが不安なんだけど、大丈夫だろうか? 職業とかもフォルティが設定したものだし、そのフォルティの加護だから、とんでもないものなんじゃ…?
恐る恐る、運命神の加護の項目をタッチする。
その詳細は、
運命神の加護(隠蔽) Lv10:運命神が自ら授けた加護。 レベルを上げるために得られる経験値に補正がかかる。 数値としては経験値×加護のレベルの半分の数値となる。 さらに、レベルが上がるとスキルポイントが得られ、様々なスキルをステータス画面の取得出来るスキル一覧から選んでスキルポイントを使って取ることが出来る。 レベル1つ上がるごとに5ポイントが入り、スキルのレベルを上げるためにはレベル分のスキルポイントを使う必要がある。 ただし、職業のレベルを上げるには3倍のスキルポイントが必要になる。
とんでもなかった。
スキルポイントか…、使うタイミングとか難しそうだな。 ポイントの使い方は例えば、家事のLvを9にしたかったら9ポイントかかって、鍛冶師をLv6にしたかったら18ポイントが必要になってくるってことでいいのかな? これも後で試すとして、取得スキルを見てみるとかなり沢山のスキルがあるみたいだ。 スキルポイント取ったらまた色々考えよう。
経験値増加もかなりやばい。 加護のレベルは10だから計算すると、例えば、魔物を1匹狩ったら5匹狩ったと同じ経験値がもらえるってことだよね?
冷静に考えてやばいと思う。 幸い隠蔽がついてるみたいだからバレる事はないと思うが、僕自身も他人にはあまり、言わないようにしよう。 この世界の人にスキルポイントなんてある訳ないと思うし。
ともあれ、これで僕自身のことは確認できたかな?
色々と考えていて、時間が経っていたけど、この森には魔物とかはいないのかな? いたら、既に襲われてもおかしくないと思うんだけど。
なので、街に行く前に、スキルとかを使ってみよう! せめて、魔法で攻撃する手段があれば、森を抜けるまでに何かあっても大丈夫だろう。
という訳で、練習開始だ!
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