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「なにを考えているのですか?」

 ココロはフユに尋ねた。

「ハルのこと」とフユは言った。

「フユは、ハルに会いたいのですか?」

「うん。もし、それが可能であれば」とフユは言った。

「それは不可能です。世界の終わり(ワールドエンド)を作動させたことによって、世界は新世界と旧世界に別れてしまいました。私たちのいる新世界から、ハルのいる旧世界にいくことは絶対にできません」ココロは言った。

「そうだね」とフユは言った。

「でも、可能なら、最後にハルにさよならを言いたかったんだ」とフユはココロの顔を見てにっこりと、でもとても寂しそうな表情で笑った。

「さよなら、ですか?」

「うん。さよなら、だね」

 そんなフユの言葉を聞いて、ココロななにかを考える。

 それから少ししてココロは、「フユ。ハルにもう一度会うことはできませんが、ハルにさよならを伝えることは、もしかしたら、可能かもしれません」とフユに言った。

「どういうこと?」

 フユは言う。

「その、ハルの残していった機械を使えば、ハルと通信をすることができるかもしれません」とココロはフユの背負っている、ハルのリュックを指差してそう言った。

 ココロの言っているハルの残していった機械とは、どうやらハルのリックの中に入っている情報士専用のタブレットのことのようだった。

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