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 そして、おそらくなんらかのトラブル(その原因はハルがワールドエンドを作動させたことだ)により、壁に侵入した機械技師たち(機械技師のマスターとソラ)はハルと一緒に壁の中に閉じ込められてしまったということだ。

「救助はこないよ。きっといくら待ってもね」とソラは言った。

「OK」とハルは言った。

 ハルはソラと二人で、『これから協力して壁の外に出る』というミッションをこなすことになった。

 コンピューター室の入り口のドアは開きそうにもなかった。

 なのでとりあえず、ソラが侵入してきた天井の通気口を通ってひとまずコンピューター室の外に出る必要があった。

 ソラもそのことには賛成した。(……と、いうかほかに道はなかった)

 二人は通気口からコンピューター室を脱出しようとしたのだけど、その前に最後にやっておかねばならないことが一つだけ、ハルにはあった。

「ソラ。早速だけど、一つ頼みがある」とハルは言った。

「うん? なに?」

 これからの活動のために体をひねったりして、準備運動をしていたソラはハルに言った。

「このコンピューターを破壊してくれないか?」

「……え? いいの?」

 ソラは真剣な顔で聞く。

 新米とは言ってもさすが機械技師だ。壁の中にあるコンピューターを破壊することがどういう意味を持つのか、……ソラはちゃんと理解しているようだった。

「ああ。もうこのコンピューターに用はない。これはもう、ただの中身を失った、……からっぽの箱だ」と冷たい声でハルは言った。

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