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 ハルはソラの提案を受け入れた。

 その申し出を聞くと、ソラは本当にすごく嬉しそうな顔をした。

 ハルは今日は本当に不思議なことばかりが起こる日だと思った。あの『壁の任務』というだけで、確かになにかが起こるとは思ってはいたけれど、これほどだとは思っても見なかった。

 ハルは今日、壁の中で最初の任務通りにコンピューター室の中にあるコンピューターの中から世界の終わり。ワールドエンド。という名前のプログラムデータを手に入れた。

 それからコスモスという不思議な本当の心を持つという人工知能と出会い、彼女を自由にするために世界の終わり。ワールドエンドの鍵を使用したら、フユとそれからおそらくコスモスがハルの側からいなくなり、その代わりに新米機械技師であるソラという名前の少女がハルの前に現れた。

 そしてこれからハルは、そのソラという名前の新米機械技師の少女と一緒に行動しようとしている。

 壁のこちら側の政府の特殊機関である情報士と、壁のあちら側の政府の特殊機関である機械技師が一緒に並んで、同じ目的のために歩き、行動するのだ。

 どこかにスクープを狙っているジャーナリストでもいたら、(そのジャーナリストが)僕たちの写真を撮れば、それは確かに新しい世界の始まりを告げる最初の一歩の証拠写真になるのかもしれないとハルは思った。


「それじゃあ、まずは壁の中からどうやって脱出するかの相談だね」とソラは言った。

「救助はこないのかな?」ハルは聞く。

 こうしてソラが壁の中に侵入しているところを見ると、あの突然の警報はおそらく機械技師たちの仕業だとハルは予測していた。

 ……と、すると、すでに(このエリアを担当する)七人の衛兵たちは機械技師たちの手によって、拘束されている可能性が高かった。

 ハルたちを案内してくれたあの衛兵の言葉はすべてが裏目に出てしまったということだ。

 きっとあの愛想の良い衛兵も今頃、自分の言葉を間違いだったと、どこかで後悔しているのかもしれないと(……まだ生きていれば、の話だけど)ハルは思った。

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