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 ソラはハルにこれから一緒に行動しないかと提案をした。

「僕とソラが? 僕は情報士で君は機械技師なのに?」とハルは言った。

「そうだよ。本来は敵対している勢力の私とソラが今は緊急事態だからさ、一緒に行動するの。それって別に悪いことじゃないでしょ?」とソラは言った。

 確かにそれは悪いことではなかった。

 しかし情報士として長年、機械技師たちと情報の争奪戦をしてきたハルにとっては、それは思いもよらない発言であり発想だった。

 新米機械技師であるソラだからの発想なのだろうか?

 でもとりあえず、そのソラの考えは確かに悪い考えではなかった。

「ねえ? そうしようよ、ハル。ほら? 私、情報戦とかはからっきしなんだけど、腕はすごく立つんだよ。ボディガードにもってこいなんだ」

 ソラは床の上に立ち上がるとそこで、軽くパンチとキックを空中に繰り出して、その能力をハルに披露した。

 それは口だけではなく、確かに見事なものだった。

 運動神経抜群というソラの話は本当のようだったし、それだけではなく確かにソラはなにかしらの特殊な軍事、あるいは格闘訓練を受けているようだった。

「武器はなにか持っているの?」ハルは聞く。

「一応、小型のナイフが一本」

 そう言ってソラは腰に巻いているバックから一本の小さな折りたたみナイフを(くるくると器用な手つきでナイフを回しながら)取り出した。

「あと潜入用の秘密道具があるけど、これはちょっと見せられないかな?」とソラは言う。秘密道具とはおそらくそれでネジを回したり、針金を切ったりするような特殊な金属で作られた十得ナイフのようなものだろうとハルは想像をした。(類い稀な技術と知識を持つ壁の向こう側の機械技師たちが、あえて、そうしたレトロな形をした道具を好むことを機密情報として、壁のこちら側の情報士のハルは知っていた)

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