通路を進んでいくと、衛兵の言ったようにコンピューター室(コンピューター室という文字が、ちゃんとドアの上のところのプレートに書いてあった)があった。

 コンピューター室にもドアはあったが、このドアは二人が近づくと、数字入力の必要もなく自動で開いた。

 コンピューター室は円柱の形をした空間の部屋で、部屋の真ん中のところには、あまり見たことのない不思議な形をした小型のコンピューターが置かれていた。

「思ったよりも普通のコンピューターだね」とフユが言った。

 フユは早速、キーボードを叩きながら発言している。フユの言っている普通とはコンピューターの形のことではなくて、その性能のことだった。

 ハルは背負っていたリックを下ろすと、そこから仕事道具である情報士専用のタブレットを取り出して、コードでコンピューターとタブレットをつないで、それからタブレットの操作を始めた。

「それいいよね。僕も欲しいな」と指を止めないまま、フユが言った。

「じゃあフユも情報士の資格試験を受ければいい。フユならきっと受かるよ」とハルは言った。

「それ、本気で言ってるの? 本当は受からないって思ってるんじゃないの?」

「思ってないよ」ハルは言う。

「でも、通信士の資格を持っているのなら、情報士の資格をとる意味はあまりないからね。情報士と通信士は二人で一人。情報士が情報を収集して、通信士が情報を伝達する。もしフユが情報士になるのなら、僕は通信士の資格をとってもいいね」

 ハルのタブレットが、目的のデータを見つける。

「あった。これだ」ハルが言う。

「どれどれ?」フユがハルのタブレットを覗き込む。

 するとそこには『ワールドエンド』の文字が表示されていた。

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