第2話
「おい、東門へ行って隊長呼んでこい。アイツやばいヤツだ、俺の手に余る」
麻袋を部下に押し付ける様に持たせた。
「アレの服が入っている。濡れているから乾かせて後で部屋に届けろ。見たことのない生地で見たこともない形だ、取り扱いには注意しろ」
「ハッ」
「後宮って解るか? アレはそこの女達のおもちゃだ。アッチの世話をする生きた性玩具だよ」
部下の眼が大きく見開かれる。
「髪の毛やら眉やら人形遊びみたいに切られてて、肌はツルッツルだ。
薄っぺらで、力仕事なんかしたことないだろうね。
ナニも凄かったぜ。
爪も短く研がれてて、傷をつけないようにしてるんだ。
足音がしないようにだろうな、柔けぇ靴も履いていやがる」
何のことだか、さっぱりわからない部下は、とりあえずコクコクと頷く。
「あんなふうに人間をおもちゃに仕立て上げるなんて・・・後宮の女ってのは恐ろしいものだな。とにかく俺の手には負えない。隊長に任せることにする。」
扉が開き兵長が戻ってきた。
「おい、とりあえずコレを着ていてくれ」
!!!言葉が解る!!
「今、上の者を呼びに行かせた。それまでこっちの部屋で待っててくれ」
案内された部屋にはソファーが置かれ、そこに座らされる。
「な、なぁ、貴殿はいつから後宮、、、に入られた?」
「生まれた時からですけど、、地球生まれの地球育ちです」
「そ、そうか。それはなんと言うか、、、そこから出たことはないのか?」
「まぁ有りませんが、、初めてです」
「その、地球のしきたりとか、専門用語みたいなのは私にはさっぱりわからないが、いや、それは聞かないほうがいいかもしれないが・・・あー少しだけ」
遠慮がちに、しかし興味津津に話しかけてくる兵長。
「癒やす仕事。だったかな?なかなか大変そうな務めですな」
「はぁ、恐れ入ります。体だけではなく精神的な部分も癒やすことが大事ですから、細かい気は使いますね。」
「気!!!」
遠くを見るような眼をしてる。
「貴殿の身につけられていた衣服は、乾かした後に届けさせるので安心してほしい」
「そうですか、ありがとうございます」
服返してくれるんだ、釈放って事?? やった。
「あの身につけられていたズボンや下着、前が開いているだろう、、あ、あそこからナニをだして、アレをするって言う・・・・ことなのか?」
「まぁそういうことですね、脱がなくても出来るようになってます」
「う、ウム。」
真っ赤な顔で唸ってる。この世界、下の話はあまり口に出しにくい事なんだろう
「お、遅いな」
天井を見上げ照れている。
そんなところから隊長は来ないだろ。
っていうか、人の尻の穴まで拡げて見ただろ。今更照れんな!
「部下が出てしまっているので、ここは今、私一人なんだ」
「!!」
「申し訳ないが、歩哨に立たなければならない。席を外すが、ここで待っていてくれ」
兵長が部屋を出ていき小一時間。
隊長とやらが来たらしい、兵長からの報告を受けているんだろう、結構待たされるな・・・
ドカドカと足音を立てながら、好青年風のイケメンが部屋に来た。
革鎧を付け、ブーツを履いている。
「おまたせした、警備隊の隊長だ。あなたのことは兵長から聞いている。
現在魔物に襲われている館から避難されてきた方と言うことでよろしいか?街でも避難が始まっている。しばらく私の指示に従ってもらいたい」
「あ、はい。ソウダ タケシです。よろしくお願いいたします」
兵長はどんな報告してくれたんだ?やけに友好的だ
「私は故有って、隣国の家を離れ、この国に仕官した者だ。王家やその後宮の内情には疎いのだ。ソウダ家という家を聞いたことがない。どういった家なのか少しお聞かせ願えないか?」
「わ、私の家は地球という所で・・ 親は勤め人で、えーーー・・・」
「フム。ち宮の中でお勤めをなされている家ということですか。そういった家があるとは、存じ上げませんでした。大変ご無礼いたしました」
「と、突然赤い光に包まれて知らない部屋で赤いドレスが杖を出してティアラがウンたら・・」
館で起こったことを説明するがうまく要領を得ない
「杖と・・・赤いドレスの少女ですか?」
「ええ。儀式みたいでした。その時兵士が駆け込んできて魔物が侵入したと」
「で、その赤いドレスの方と従者は逃げたんですね?」
なんとか伝わったらしい。
隊長は難しい顔をしていたが、少し声をひそめるように言った。
「その方が新しい女王です。ご無事で逃げ出されたか。ありがとう。」
なんだかわからないけど感謝されてるから大丈夫だろう。
「タケシ殿、一旦教会へご案内しましょう、避難民がそこに集まっています。教主様もおいでになりますからそこでもう一度お話していただくことになります」
いきなり召喚されて堀に落っこちて裸にされて
「アッーーーー」
今度は教会につれて行かれるの?訳解んないしメンドクセー。
どうしてこうなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます