第2話

「あんた、放課後SOS団に来なさいよね」

「……はい?」

今の状況を説明しよう。

私は、隣の席の人――涼宮ハルヒに呼び出され、廊下にいる。

「SOS団……?」

聞き覚えのない団だった。というかなんだそれ。

「いいから来なさいよ?」

「え、あ、はい……」

どう断れというんだ。


放課後。

SOS団が分からない私は、キョン君という男の子を頼ることにした。

「SOS団というのは――」

「どこにあります?」

「基本的に文芸部室」

「ありがとうございます!」

「待て、俺もついていく。どうせ行き先は一緒だからな」

そこで私たちは、他愛もない会話(主にSOS団について)をしながら文芸部室へとたどり着いた。

コンコン。

「はーい」

可愛らしい女の子の声。

パラパラとめくるページの音。

じゃらじゃらと、何かを片付ける音。

ガチャ。ドアを開けた。

「………あ」

私の思考は一瞬で停止した。

もう会えないと思い込んでいた彼との再会である。

「一樹君……」

「おや、あなたは…」


どうやらこいつら知り合いみたいだな。

機関に入る前の古泉を知る奴。

その古泉の友達。

転校。

「なんでここに…?」

「簡単でしょう。僕もSOS団の団員だからですよ」

ついでに言っておこう。そいつ副団長だぞ。

「まじすか」

「ええ。涼宮さんに任命されました」


それは、私の知っている一樹君と少し違って。

でも、私の知っている一樹君で。

私が居なくなったあと、復帰できたのだろうかと。

まさか交通事故じゃないだろうと。

考えていた。この気持ちは。

「寂しかった…」

会いたかった。話をしたかった。

友達として。幼馴染みとして。

あの頃の一樹君と変わっているけれどそれでもいい。

その不安定なオーラで、前の学校でいじめにあったのは伏せておこう。

「……ニコ」

どこか寂しそうに微笑んだ。

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