涼宮ハルヒの新人

しお松

第1話

私が最後に彼に会ったのはいつぶりだろうか。

記憶する限りでは中学一年生だったと思う。

ある日を境に、彼は学校に来なくなった。

それから私は転校をしたので、彼を見ることはなくなった――はずだった。


今日は転校生が来るらしい。

いつものごとくハルヒは目を輝かせていた。

「高校生活で二回も転校をみるなんてね」

それは俺も思ったさ。

「どんな転校生なんだろう…」

そんな会話をした後、担任である岡部が入ってきた。

「えー、知っているとは思うが、転校生が来たので自己紹介をしてもらう。」

「えっと……」

無口だった。でも長門とは違う。

「………です」

明らかに長門と違う点。

それは、こいつが無口キャラを演じているということだ。

前の学校で何かあったに違いない。

「よ、よろしくお願いします」

「えー、じゃあ席は…涼宮の隣が空いてるな」

いつのまにかハルヒの横、つまり俺の斜め後ろが空いていた。

そうこうしている内に、そいつが席に座り、

授業が始まった。


私は憂鬱だった。

もう一度だけでも、会いたかった。

中学一年生だった彼――

古泉一樹君に。

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