7話 恋に堕ちたボクサーヾ(@°▽°@)ノ

【円形競技場にて】 思惟←語り


今だ、彼我戦力差   2:9

月の輪いんふぇるの:スク水シーサー

慌てる事はない。


「みんなやっちゃえ!」

リングに、さーしゃの透明な声が響いた。

さーしゃは、逃げ回りながら、馬の鞭を振り回していた。

大会史上もっとも小動物よりの生き物の最弱さーしゃの逃げ足は神だ。


憤怒しロゴスに追い掛け回される最弱少女は、逃げることにかけては才能があるのか、なかなか掴まらない。


わたしはコーナーに昇り、憤怒しロゴスに狙いを定め、

「わたしの女に手を出すな!」

と、ダイビング・クロスボディーを直撃させた。


あれ?わたし、才能ある?

と勘違いしそうなほどの直撃感は気持ちいい。

月の輪いんふぇるのに勝てる!

そう思えてきた。


この不利な状況下で、憤怒しリリンは、叫んだ。


「こうなったら、必殺!ふぇろもん顔面騎乗!」


その声に、女子で埋め尽くされた観客席は熱狂した。

憤怒しリリンは、KOから立ち上がろうとした女子ボクサー葛城留美の髪を掴み、リングに叩きつけた。


「いくぞー!」

「イエーイ!」


憤怒しリリンの叫びに、観客たちは熱狂した。

憤怒しリリンは、葛城留美の顔に、自らの美しいお尻を押し付けた。


放送席のリングアナウンサーの、幸薄そうな女子アナ・絹鞘(きぬさや)は叫んだ!


「あれは、致死量寸前のフェロモンを嗅がせることにより、恐怖のいんふぇるのへと突き落す必殺技!

あの技を掛けられた者は、たとえ同性だとしても、憤怒しリリンの恋の虜になると言う怖ろしい技です!葛城留美選手は大丈夫か!」


憤怒しリリンが、葛城留美の顔にお尻を押し付ける事10秒!

会場中が、憤怒しリリンのお尻の下にいる葛城選手を見つめた。

憤怒しリリンのお尻の圧から解放された葛城留美は、ボーっと立ち上がった。 


「おーっと葛城留美選手の目が、恋する乙女の目に変わったー

この目は・・・・この目は・・・ただの恋する乙女の目ではありません!

わたしが大学の時、恋に落ちた時の目と一緒です!

あの幸を奪われた目は、破滅への恋の目です。危険です。危険です。

冷静になってください!葛城選手!

わたしが恋に落ちた相手は、チョイ悪だと思っていたら、極悪でした。

大金を貢がされました。あんな事やこんな事をやらされました。

思い出すだけで涙が零れます」


「知らんがな」


暴走しそうな絹鞘アナに、元ヒール女子レスラーの解説者のドクターキサンは言った。


憤怒しリリンは、葛城留美を優しく抱きしめながら、留美の耳元で、何か呪文のようなものを囁き続けた。


葛城留美は、不安に怯える赤子の様な目で、会場の騒がしい喧騒を見つめた。


「大好きな留美ちゃん、あなたはわたしの強く頼もしい恋人。

あなたには不安を払いのける力が備わっているの」


憤怒しリリンが、そう言うと葛城留美の目から怯えが消えた。

さらに、憤怒しリリンは続けた


「留美ちゃん、あいつらが私を苛めるの・・助けて」

「リリンちゃんを?」

「うん」


怒りに震え顔を高揚させた葛城留美は、襲いくる格闘家に襲いかかった。

燃える恋は格闘家女子を覚醒させるのか?


神技と言えるほど、的確に、空手家の顔を直撃し、一瞬でKOさせた。


「留美ちゃんご褒美のちゅうよ」


憤怒しリリンに、ちゅうされた留美ちゃんは、甘美の声を上げ、熱狂、さらに攻撃力を倍増させた。


恋する狂喜のボクサーと化し、神がかった留美ちゃんは、続けざまに2人目、3人目、4人目をリングに沈めた。


彼我戦力差  3:4

月の輪いんふぇるの:スク水シーサー



(゚Ω゚;) (゚Ω゚;)  ← あっと言う間の出来事に驚く、スク水シーサー


「思惟ちゃん・・・どうしよう」


ご満悦だった、さーしゃの顔から笑顔が消え、

わたしのテンションもダダ下がり↓だ。


許せない!わたしのさーしゃから笑顔を奪う奴らを!

わたしの身体は熱狂モードに突入した。




つづく

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