4話 何の罪も犯した事がない美少女が・・・

【円形競技場にて】(思惟)




「強!」


里紗(さーしゃ)はそう言うと、わたしに寄り添った。


「チャリン」の音とともに、リング上の電光掲示板に、

『課金・2000コイン承りました』

と字幕が流れた。



課金?


相撲一筋の体育会系の憤怒しリリンが初めて聞く単語だ。


「なんのことやら・・・」


その訳の分からなさが、憤怒しリリンの怒りを増幅させた。

その怒りをまず、乱入してきた女子ボクサーに対してぶつけ、憤怒しリリンの反撃が開始された。


女子ボクサーのパンチと、憤怒しリリンのつっぱりの応酬が始まった。


その激しさに、観客は歓声を上げた。

ヽ(*'0'*)ツ ヽ(*'0'*)ツ ヽ(*'0'*)ツ


ボクサーがふらついた隙をついて、憤怒しリリンの回し蹴りが、ボクサーの頭部を直撃。


「美しい・・・」

わたしは戦いの最中なのに呟いた。


回し蹴りが直撃した瞬間の、憤怒しリリンのお尻の大臀筋の躍動感は、美と力を兼ね備え、半端なく美しかった。


まるで神話の絵画に出てくるような、戦いの女神を思わせた。

こんな美しい肉体の瞬間を、今まで見たことがない。


そももそ美しく鍛えられた女子格闘家が、お尻丸出しで回し蹴りをする状況何て、そうあるもんじゃないけど。(;^_^A


その美しい一撃に、女子ボクサーはリングに倒れこんだ。

憤怒しリリンは、ボクサーの頭を踏みつけると、わたしたちを睨み付けた


「お嬢ちゃんたち、何をしたか知らないけど、こんな小賢しい事をした以上!

お尻ペンペンよ!」


殴り合いの結果、おどろおどろしい顔になった、憤怒しリリンは、半端なくお怒りだ。

こんな大観衆の前で、お尻ペンペン・・・なんて屈辱すぎる。


わたしは、さーしゃの日焼跡のない真っ白な太ももを、チラッと見た。

そして、つい、さーしゃがお尻ぺんぺんされる姿を妄想した。


こんなにも清楚な美少女が・・・

何の穢れも知らない美少女が・・・

何の罪も犯した事がない美少女が・・・・

お尻ぺんぺんだなんて!

萌えてしまった。


リアルに、「見てみたい」(・_・;)

と思った自分を悔いた。(_ _。)


大切な親友なのに!


理性を取り戻したわたしは、この子にそんな屈辱を受けさせはしない!(◎`ε´◎ )

と誓った。


小動物のように怯えるさーしゃは、スマホに飛びついた。

「やばい、やばい、もっと課金しないと!」

課金の旨みを知ったさーしゃに、加減はなかった。


結果・・・・


リングに続く花道を、コーヒーやジュースやハンバーガーを持ったラウンドガールと、女子格闘家たち、十数人が走ってきた。


「みんなやっちまえ!」


さーしゃは、闘争心の欠片もない可愛く澄んだ声で叫んだ!

そしてわたしも、女子格闘家たちに混じって、憤怒しリリンに襲いかかった。

実力差から見て、わたしたちが勝てる最後のチャンスかも知れない。


十数人で、二人を襲うのは卑怯?

格闘家魂に反する?


しかし予想外の出来事に、観客は熱狂している。

ヒールな女子高生タッグに、観客は熱狂してる。


ならばそれでおkでしょう。

この世は所詮、茶番劇。





つづく

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