2話 今回の女神は、わたし自身


【円形競技場にて】(さーしゃ)



わたしにとって、思惟ちゃんは疫病神みたいなもの。

思惟ちゃんと一緒に、川で遊んでいた時、


足をつった思惟ちゃんを助けようとして、わたしは下流に流された。

偶然下流で遊んでいた思惟ちゃんのお兄ちゃんが、

助けてくれなかったら、わたしたちは死んでいた。


思惟ちゃんと一緒に、森へ冒険の旅に出たとき、

子熊を連れた母熊に出合った。


子育てでデリケートになっている母熊は危険。

無邪気な子熊がわたしたちにじゃれてこなければ、

わたしたちは母熊に襲われていた。


じゃれ合う子熊とわたしたちに、躊躇(ためらう)母熊は面白かったけど・・・。


そう・・・思惟ちゃんといると最後はハッピーエンド。

だからわたしはいつも思惟ちゃんと一緒にいるの。


疫病神の次には、必ず女神がやってくる。

そして、今回の女神は、わたし自身。


思惟ちゃんには、誰にも会えない状態の、引きこもりから助け出してもらった恩がある。そんな大好きな幼馴染の親友を助けられるって、ちょっとした至福の時かも。





つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る