【4 雪像づくりに潜む罠】
プロローグ
雪は、いつか必ずとける。
とけないのは、人の心。わだかまり。
まるで真綿のような雪が積もる、真冬の早朝。
この純白の雪を染めるのは、赤い血? それとも――
私は、あの手紙に託す。
もしものときの、私の命を。
きっと誰かがわかってくれるはず。
きゅっきゅっ……きゅきゅっ
――やって来たのね。
新雪を踏み鳴らし、薄明かりでぼんやりと照らされた街を横切って。
白い雪と透明な私の思いを掻き分け、あなたはやって来た。
とにかく、話し合ってみよう。
そう――雪は、いつか必ずとける。
とけないのは、人の心。わだかまり。
もしも、この世にとけない雪があるとするならば、それはきっと――
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