第14話
ユウカはただ脇目も振らずに走っていた。
いつも帰宅時に通る道を。その先にある偽りの居場所へと。
心を支配するのは本物の金村遊香への、これまで抑え込み続けてきた憎悪。そして彼女の幼馴染にして、ユウカ自身の大切な彼を想う気持ちだけ。
この感情が、ユウカの人格が遊香から完全に独立したものとして目覚めたのは、中学校時代のある日のことだった。
その頃ユウカはまだ遊香と人格も記憶も感情も、その何もかもを共有していた単なる人形に過ぎなかった。だからこそ、彼女の心の奥底にあった空虚な感覚も共有していた。
小学校の高学年になるにつれて機会は減りつつあったが、いつも一緒に遊んでいた幼馴染の男の子。彼がどこにもいない。その寂しさが日を追うごとに蓄積していっていた。
アミクスは人間と進んで関係を結ぼうとしない。
そのため、当時自ら学校に来ていた連示とは必然的に接点が消滅し、そのため遊香からすれば連示が忽然と姿を消したかのように感じられていたことだろう。
そして、いつの日からか、その感情は遊香の無意識に押し込められ、彼女は幼馴染の存在自体を忘れ始めていた。だが、無意識を特に共有していたユウカは心の奥に秘められた感情に心を激しくかき乱され、その結果ファントムとして目覚めるに至ったのだった。
不完全な幻影人格がユウカを選んだのか、ユウカ自身がそれを招き寄せたのかはもはや分からない。しかし、その瞬間からユウカとしての人格は完成し、遊香からの独立を果たしたのだ。
それ以来、ユウカは連示との記憶を遊香には共有させず、今まで自分だけの宝物として隠し続けてきた。それは記憶を共有することによって、遊香が連示への気持ちを思い出してしまうのではないか、と恐れていたからでもあった。
だが、時と共に、特に思春期にあって人の心は大きく変化していく。
遊香の心から連示への感情がほとんどなくなり、ユウカの心との乖離が耐えられなくなる程大きくなってしまった。つまり、遊香が異なる相手に好意を抱くようになったのだ。
ユウカはそれが気に食わなかった。連示以外の相手との記憶など、一片たりとも欲しくなかった。だから、ユウカは記憶の共有を完全に絶ち、遊香には彼女が望むような偽りの記憶を与え続けてきた。
そうやって、今日まで連示の傍にあろうとしてきたのだ。
しかし、結局のところ自分はアミクス、金村遊香の代用品に過ぎなかったのだ。
ユウカは今日の連示との会話でそう理解した。
連示が遊香と会いたいと言ったことがただただ悲しかった。これまで一度たりともそんなことは言わずにいてくれたというのに。
そして、彼が呟いたファントムという単語。紀一郎からその話を聞いた時点で、ユウカはそれが噂ではなく事実であり、自分がそうなのだと気づいていた。
つまり、CEカンパニーにその話が届けば、自分は
確立した人格は自己保存の本能を強く持ち、死を恐怖する。
遊香への嫉妬と死への恐怖。その二つの感情が入り混じり、ユウカの思考は酷く乱れていた。乱れていながら、ただ一つの考えが体を支配していた。
遊香を排除し、自分が遊香となる。そうすれば、彼も自分を遊香と認めてくれるはず。
心の奥底にある冷静な部分は、それは短絡的な発想に過ぎないと叫んでいたが、得体の知れない何かによって思考が歪み、ユウカには選択肢はそれしかないように思えていた。
乱れた思考状態でも体が覚えているため、家には容易く辿り着ける。しかし、そこに目的の人物はいなかった。
当然のことだ。これまでの彼女の行動パターンから判断して、この時間はまだ複合娯楽施設にいるはずではないか。
そのことを思い出し、ユウカはまた苛立ちを強め、複合娯楽施設へと足を向けた。
そこにいるのは皆、自堕落な生活を送るだけの馬鹿な人間達だ。
そして、その中の一人として享楽に耽る愚者。それが連示の知らない、いや、連示が気づかない振りをしている金村遊香の本当の姿なのだ。
それが現在を生きるほとんどの人間と同じ姿であることはユウカも理解していた。
しかし、同時に連示や鈴音という例外が存在している事実もあることを知っている。
その知識が両者の比較を可能にし、ユウカもそのあり方に疑問を持つに至っていた。
生きていながら生きていない。そんな矛盾した言葉がお似合いの薄気味悪い集団。それが今を生きる大衆へのユウカの評価であり、彼等はユウカにとって軽蔑の対象だった。
勿論、彼等がそのような状態にあるのは環境のせいなのかもしれない。そして、連示に関しても環境的に何か切っかけがあったから考えを変えただけなのかもしれない。
だが、分岐点があったのは遊香も同じことだ。連示との接点が失われ、寂しさと疑問を感じた時に気づくことも可能だったはずだから。
変わらなかったのは、遊香自身の選択。そんな彼女をユウカは否定しただけの話だ。
身体機能をフルに駆使したため、思った以上に早く施設の前に到着する。
ユウカはまずネットワークを介して施設の中枢から、遊香の居場所を探るために必要な情報を得ることにした。しかし――。
「……え?」
できなかった。
デフォルトに備わった機能が扱えないことに驚き、思わずそんな声が漏れ出てしまう。
人間で言えば、見るとか聞くとか普段何気なく使用している能力が突然使えなくなってしまったような状態だろうか。
仕方なくユウカはこれまでの遊香の記憶、いや、記録から、彼女がいる可能性が高い場所を探すことにした。
とは言え、さすがに一人では時間がかかり過ぎる。ある程度頭数が必要だ。
そう考えた瞬間、ユウカは無意識的に近くにいた警備用のアミクス達に触れて、その人格を支配し、彼女を探すための忠実な兵隊としていた。
そんな自分の行動、無意識に使用した能力に一瞬驚く。だが、今は深くその意味を考えても、それこそ意味がないと判断し、ユウカは彼等を利用することにした。
やがてささやかな人海戦術が功を奏し、遊香を発見することに成功する。
ユウカは操ったアミクスに落とし物があったとか適当な理由を言わせ、彼女を一緒にいた遊び仲間から引き離した。
相手がアミクスだからか、遊香はその言葉を信じて人気のない場所、即ちユウカが待つ廊下までやってきた。そこは従業員、つまりはアミクスだけが使用する道で、通常人間が訪れることのない場所だ。
「な、あんた、こんなところで何やってんのよ!」
目の前に立つ自分自身のアミクスの姿に遊香は顔色を変え、声を荒げた。
彼女は髪を赤く染め、流行として情報操作されたような趣味の悪い派手な服を着て、年の割には濃い目の化粧をしていた。
ユウカとしては見るに耐えない姿だったが、自ら判断するということをしなくなっているこの時代ではこの程度の格好は有り触れたものだ。
普通でいるのは面白くない。だから、少しだけ奇抜なものを選ぶ。しかし、誰もがそう考え、同様にするために逆に無個性に埋没してしまう。流行とは皮肉なものだ。
「な、何とか言いなさいよ! 何しに来たの!? アミクスの癖に!」
沈黙するユウカを不気味に思ったのか、虚勢を張るように大きな声で遊香は言った。
「……貴方を、殺しに」
その発言の内容もさることながら、遊香とは対照的に小さな、しかし、はっきりした冷たい声色で答えてやったためか、彼女は怯えたように身を竦めた。
「ア、アミクスが、所有者を、殺す? 悪い冗談――」
遊香の言葉が終わる前に一歩踏み出して彼女との距離を縮める。
すると、遊香は目を見開いて、ひっと息を呑み、恐怖で硬直した体を無理矢理動かすようなぎこちない動きで足を引きずるようにして後ろに下がった。
ユウカはその様子に僅かな愉悦とどこか冷めた感情を抱きながら、彼女にじっくりと恐怖を与えるように緩慢な動きでさらに近づいた。
程なく遊香は足をもつれさせ、床に倒れ込んでしまった。ユウカはその脇に立ち、恐怖で目に涙を溜めて見上げてくる遊香を見下ろした。
「あ、い、いや――」
遊香の口から漏れ出る声も、その体も酷く震えている。
その瞳に映った自分の顔はまるで幽鬼のように虚ろで、ユウカ自身、自分が異常な状態にあると自覚する程だった。
だからこそ、遊香は現実に命の危機にあることを理解し、それ故、これまで感じたこともない恐れに苛まれているのだろう。
「誰、誰か、助け……」
そんな彼女の様子を見て、ユウカは深く嘆息した。
必死になって助けを求める遊香の表情は余りにも醜く歪んでおり、それだけでもはや溜飲が下がってしまった。
強固に思えた憎悪の呪縛も、僅かな綻びから容易く心の奥底へ沈んでいく。
完全にいつも通りの思考を取り戻してしまい、ユウカはもうこれ以上の行動には出られなかった。
こんなことをしても、最初から何の意味もなかったのだ。連示に喜ばれる訳もない。
結局、自分の身を滅ぼすのを早めただけだったのかもしれない。
ユウカは何もかも馬鹿馬鹿しくなり、床に転がる遊香に手を差し伸べようとした。
「ま、待て!」
耳に届いた聞き慣れた声に手を引き戻して、その方向へと向き直る。そこには予想通りの声の主、連示が悲しそうな瞳をユウカ達二人に向けて佇んでいた。
「遊香。今の内に――」
そう彼の口が言葉を紡ぐ間に、第三者が乱入してきたことで何とか体を動かせるようになったのか、遊香はその場から一目散に逃げ出していた。
その第三者が一体誰なのかにも気づかないまま。
かなりの緊張状態にあって、彼を認識することなど彼女には不可能だったのかもしれないが、結局のところそれが彼女の答えのようにも感じられる。
しかし、もうそんなことはユウカにとってはどうでもよかった。それよりも何よりも目の前にいる存在の方が遥かに重要だ。
「貴方は……誰なの?」
それは確かに連示の姿をしている。連示の声で話している。
そして、それは実際に連示自身の肉体なのだろう。
しかし、その中身は確実に違う。
ユウカはそのことを、その表情や立ち振る舞いの微妙な差異から見抜くことができていた。似たようなことが何度かあったことにも気づいていた。
だから、憎しみに近い感情を込めて、連示の体を操る者を睨みつけた。
「連示君の体で、何をしてるの?」
続けて問いかける。しかし、相手は眉間に軽くしわを寄せて黙ったままでいた。
「連示君は、どこ?」
沈黙を守り続ける目の前の存在に、ユウカはその姿が連示のものだからこそ、必要以上に苛立ちを募らせていた。だが、あくまでも連示の体であることは理解しているため、強く詰め寄ることもできない。
「……もう少しでいらっしゃいます」
連示の振りを諦めたのか、彼と全く同じ声で、しかしながら、明らかに異なった、どこか女性的な口調で言葉が発せられる。その表情は酷く申し訳なさそうだ。
「貴方は、連示君の何なの?」
「私は阿頼耶。ご主人様のパートナーです」
「ご主人様? パートナー?」
何だか物凄いことをさらりと言われた気がして、苛立ちが驚愕で吹き飛んでしまった。
「な、何、それ。どういうこと?」
戸惑って尋ねると、阿頼耶と名乗った存在は連示の体で視線を僅かに逸らした。
「説明は後で。今は私の傍に来て下さい。間もなく特別処理班が来ます」
「と、特別処理班? それって――」
確かCEカンパニー内にある、ファントムと化したアミクスを破棄する実行部隊。
阿頼耶が連示の顔で作った余りに真剣な表情とその知識のために、ユウカは素直に彼女の言う通りに傍に寄った。
「とりあえず、この体を盾に、人質のようにして時間を稼いで下さい」
「そ、そんな、それは連示君の――」
「ご主人様は了承済みです。……私も気が進みませんが」
「逃げた方がいいんじゃないの?」
「無駄です。一度でもネットワークに異常が出てしまえば、GPSでどこまでも追いかけられますから。位置的に考えて、ご主人様と合流するよりも先に彼らと遭遇してしまうでしょうし。……私の体があれば、どうにかできたんですが」
阿頼耶の言葉に、ユウカはつい先程ネットワークを介してこの施設から情報を得られなかったことを思い出していた。
それによって標的として定められた時点で、阿頼耶の言う通りにせざるを得ないことは確定のようだ。
「来ます。用心して下さい」
小さな声で注意を喚起する阿頼耶の言葉に重なるように、この人気のない廊下に複数の足音が響き、少しずつ近づいてきた。
アミクスとしての聴覚で聞き分けると足音は丁度三人分ある。
会話はしていないようだ。
本当に大丈夫なのか、と不安が沸々と湧き上がってきて、ユウカはつい無意識的に連示の手を握っていた。
握ってから、その人格が連示のものではないことを思い出した。
「大丈夫です。ご主人様……連示様と思って、握っていて下さい。この温もりは、確かにご主人様自身のものですから」
そう呟く阿頼耶に、触れ合った手を優しく摩られる。
それは確かにいつもの連示の感触で、だから多少は不安な気持ちも和らいでくれた。
「今日はまだ、ミラージュが現れていないようだな」
足音が止まり、三つの人影が確かな姿を見せる。その正体は一人の男性と二体のアミクス。アミクスは男性型と女性型がそれぞれ一体ずつだった。
そして、声を発したのは人間の男性だった。
「初めまして。俺は二宮拓真。CEカンパニー日本支部サポートセンター、対ファントム特別処理班東北地方担当第六班。長々すまないが、その班長だ。こいつらは俺のサポートをするアミクスの陽光と火輪」
特別処理班。ファントムを破壊する存在。それと対峙したことに恐怖を感じる前に、ユウカは陽光と呼ばれたアミクスが肩に抱えている存在に目を奪われていた。
「遊香を、どうするつもりだ!」
ユウカが何か声を発するよりも早く。
阿頼耶が連示の口調を真似て叫び、飛びかかろうとする。
彼女の意図を汲み、ユウカは連示の体を押さえつけて人質らしく見えるように固定した。
その様子を前に、拓真と名乗った男は困ったように阿頼耶へと視線を向ける。
「何で人間がファントムと一緒にいるんだ?」
自問するように拓真は呟き、傍に控えていた陽光がほぼ同時に首を傾げる。
「そんなことはどうでもいい。その子をどうするつもりだ!?」
身動きが取れなくなっている振りをしながら尚、阿頼耶は問いを続け、ユウカの拘束に抵抗する素振りを見せた。
あくまでもそれは演技なので、当然その力は軽い。
「年上に対する礼儀がなっていないな。まあ、この時代では仕方がないとも言えるが」
拓真は面倒臭そうに頭をかきながら、小さく溜息をついた。
「この子はそこにいる暴走したアミクスの所有者だ。放置しておけば精神的なショックを受けかねない。そうなる前に保護し、新たなアミクスを与え、このことに関する記憶を思い出せないように暗示をかける予定だ。それでこの子は今日の恐怖を全て忘れ、元の生活に戻ることができる」
それが俺達の仕事の一つだ、と拓真はつけ加えた。
恐らく遊香の体内のマイクロマシンは既に機能を停止させられているのだろう。
本来意識を失った状態で記憶の共有が始まるはずだが、その兆候がない。
勿論、ユウカには記憶を共有するつもりなどないため精神的なショックを遊香が受ける心配はないのだが、特別処理班に分かるはずもない。
拓真は阿頼耶へ向けていた視線をユウカへと移した。それから目を瞑って眉間にわざとらしくしわを寄せながら考え込むように俯く。
「しかし、この状況はどうすればいいのかな」
そんな難しい表情のまま、隣にいる陽光と火輪に彼は問いかけた。
「通常、物陰からファントムのみを狙って破壊すべき」
それに対して二体のアミクスの内、女性型の火輪が酷く冷たい、平坦な口調で答えた。
「だが、ここに物陰なんてないぞ」
拓真はこのような場にあって、呑気に周囲を見回していた。余程、この二体のアミクスの性能を信頼しているのだろう。
「だから、それはあくまでも通常の場合。人の話は最後まで聞くもの。理解もしてない癖に口を挟むのは馬鹿の証拠」
「……悪かったな。で、話の続きは?」
「この場合はこうする」
火輪は静かに倫定学院の制服によく似た上着の内側から、その体には不釣り合いな程大口径のオートマチックを取り出し、その銃口を阿頼耶に、つまり連示の体へと向けた。
「お、おい。さすがに無関係の人間に危害を加えるのは容認できないぞ?」
焦ったように拓真が火輪の銃を握る手を押さえる。すると、火輪は冷たい瞳の中にどこか馬鹿にしたような色を見せつつ、拓真を睨みつけた。
「あの人間はファントムを助けようとしてる。つまりあれは演技に過ぎなくて、彼はファントムの仲間。だから――」
火輪は言いながら、視線を拓真からユウカへと向けた。
「その男を殺されたくなければ、大人しく投降しなさい」
その抑揚のない冷淡な口調にユウカは怯んでしまい、一瞬思考が止まってしまった。
連示の体に傷がつけば、現在は阿頼耶が操っていても、最終的には連示が痛みを背負うことになる。それどころか、下手をすれば本当に連示が死んでしまうかもしれない。
それを想像すると、心臓部が鷲掴みにされたような嫌な気分になる。
「火輪? どうしてそうだと――」
「私達の聴覚を人間のものと一緒にしないで」
そう言って銃を構えながら一歩近づいてきた火輪に、無意識的に後退してしまう。
「……その人間が死んでもいいの?」
その言葉にユウカは後退りする足を止めた。
連示の体を傷つけたくない。それも自分の過ちのせいでなど自分で自分を許せない。そんな思いが募り、ユウカの心は大人しく投降することへと傾いていた。
しかし、それを諌めるように、阿頼耶は連示の背中を押しつけて後退するように促してくる。彼女はその体を使ってユウカを覆い隠して守ろうとしているかのようだった。
「あ、阿頼耶さん……」
「貴方の幼馴染を信じて下さい」
人間であれば互いにしか聞こえない程度の小声で呟く。しかし、恐らく火輪と、口を開かず様子を窺っている陽光には聞こえているに違いない。
「仕方がない。足の一本ぐらいは我慢して貰う」
火輪は銃口を微かに下げて、その引き金に指をかけた。
既に撃鉄は起こされており、彼女の細い指先に力が込められるだけで人の命を容易く奪う一撃が放たれる。その結果、火輪の宣言通りになってしまうことを想像して、ユウカは思わず目を閉じてしまった。
しかし、発砲音はいつまで経っても耳に届かない。
その代わりに聞こえてきたのは、何か金属的なものが床を転がる音。そして、感じたのは誰かがすぐ目の前に立つ気配。
不審に思い、恐る恐る目を開く。と、ユウカの視界にあったのは、銀色に煌めく美しい髪を二ヶ所でまとめた小柄な女性型アミクスの背中だった。
その彼女が羽織っている上着はどこかで見たことがあるもので……。
そのせいなのか、その背中は似ても似つかない小さなもののはずなのに、ユウカには見慣れた彼の背中のように見えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます