ブラックサンタ団参上!! その後

「そもそも、悪い子でも良い子は居るって言っていたじゃないか。だったらあれはあれでいいだろう」

『なんだかんだでお姉様はその場のノリで生きてますから』


 海賊の謎遊具の更に後ろ。公園の外から黒い服で上下を統一した四人目の子供が現れる。腕には白い腕時計を嵌めていて、そこから声も聞こえる。

 先の件で改心した少年と、サンタクロスの小型端末だ。


「うるさいわね! 私の外見と性格は呼び出される時の対象の悪い子の願望で決まるから私のせいじゃないのよ!」

「えっ」

『あ、それ、今ここで言ってしまわれますか』


 余りにも周りからダメ出しをされるからか、本来ならば対象の悪い子以外には秘密にしておくべきブラックサンタの生態を喋ってしまう少女。

 少女の外見は銀髪のロングに大型の胸部装甲と太めの脚。そして黒いサンタ服はノースリーブで谷間が見える感じで、下はミニのワンピースだ。

 黒タイツは後から身に付けた物だが、この外見を望んでいると言うことはそういう事なのだろう。


「お前、すけべだな」

「全裸じゃないだけ健全なのでは?」

「あー、おねショタ願望のあるショタのほうかー」


 凱太郎、ロイド、ハジメの三人から温かい目で見られる少年。

 無理も無い。こんな格好をしているのはサンタクロースのコスプレをしているという建前で単に露出の高い服を着ている繁華街の女の子ぐらいであり、まともな神経の人間はこんな格好で町を歩いたりしない。


「ちょっと待て! 違う! 僕は変態なんかじゃない!」

『大丈夫ですわ。お姉様は精霊なので実質0歳ですから、おねショタではなく兄ロリになりますので』

「大丈夫じゃない!!!」


 力強く否定し、自分は健全だと言いはる少年。

 その歳で女性の体に興味を持つのは自然なことなので恥ずかしがる必要はそんなに無いが、自分の願望が他者にバレるのは結構キツイ物がある。


「本当なら私は男性で老人なんだからね? 流石にそういう事はしないわよ?」

「何を言ってるんだお前は!!!」


 少年はあの事件の後、国連を主として色んな国に直接出向いて(ブラックサンタの少女も付き添って)「ごめんなさい」と謝って周っており、全ての国から『子供なら仕方ない。許してあげよう』という返答を貰っていた。

 サンタ達も勿論自分を許してくれ、三人の守護者以外は誰も自分を直接責める者は居なかった。

 だが、少年は今回の事を自分の心が弱かったから悪い物に付け込まれてしまったのであり、能力もきちんと制御出来ていなかったのも原因だと思っている。周りが自分を許してくれたとしても、自分が自分を許せないでいるのだ。

 だからこそ、償いの意味も兼ねて、こうしてブラックサンタ団に加入してブラックサンタの活動の手伝いをしている。


「それはそれとして、音楽をかけるタイミングがもうちょっと遅い気がするんだよな」

「そうだな。僕もそれは思っていた。もう少し早くてもいいだろう」

「新人さー、もうちょっとがんばれよー」

「うるさいな! 次はタイミングを合わせてやるから黙ってろ!」

『合わせるのは私ですけれどね』


 こうして同年代の子供達と一緒にいるうちに、いつか自分を許せる日が来るだろう。

 それが成長という物なのだ。

 頑張れ、少年!

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いけいけ!ぼくらの!ブラックサンタ団!! @dekai3

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