第4話 グレンお兄様
「……ただいまぁ……」
「ルーシィ!!!」
帰る度に抱きついてくるこの人はこのフローレンス家の次男、グレンお兄様。
「……お兄様、くっ……苦しいです……」
「あぁ……ごめんね?つい……」
「お兄様、何度も言ってるじゃないですか!私わたくしは一応婚約者もいるんですよ?家の中といえど過度なスキンシップはやめてください!」
まぁ……その婚約者に浮気されているんだけどね!!!グレンお兄様はこういうこと言わないと止まらないから……
「そっかぁ……」
くっ……あざとい……
「そんな目で見てもダメなことはダメなんです!」
「ルーシィ……元気ないね?大丈夫???」
「……んーちょっと面倒事に巻き込まれまして……」
「何かあったら相談してね?」
「ありがとう、お兄様。」
お兄様は勉学、剣術にも精通していて、完璧な人なんだけど……家族に依存しすぎというか……
たま〜に怖いこと言い出すので止めるのが大変なんだよなぁ……
このお兄様もヒロインに恋する、冷血完璧な悪役令嬢の兄……
……あのお兄様に冷血要素があるのだろうか?
しかも作品では妹の悪役令嬢を嫌っていたが……お兄様は家族にベタ惚れである。
やはりどこか残念……???
あのお兄様も素敵だとは思うけど……
それより……誰が一体この小説を書いているのか……
考えられるのは……この学園に関係している人物だということ。流石に予言書といえど舞台が似すぎだ。
それに!小説に出てくる人物は外の顔の性格とそっくり!
特に殿下とか。紳士的で完璧なノア様とは大違い!あんなだらしないやつとは全く別物……
だからやはり、生徒か……教師陣の誰かにいる……しかも書いているのは貴族なのは確かだ。最新刊は貴族の生活が少し書かれていたし、あれは妄想でかける物じゃないし……
まずは教師陣を調べてみるか……
全ては王宮図書館の為に!!!
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