第7話 隣人?お友達? 守神?
久しぶりに、夢も見ないでグッスリ眠っちゃった。
あ〜〜。昨日まであんなにダルくて、手をあげる事さえ辛かったのに。今朝はエネルギーが満ち満ちている感じよねぇ。
結局、昨日は高坂が帰った後、そのまま眠ってしまった。多分、夕方4時位から、今まで起きられなかった。
まあ、お陰でスッキリよ!腕の腫れも殆ど無いわね。痛みも引いている。
あれ?寝ている間に、担当の先生が傷口縫ってくれていたみたい。僅かに縫い糸が見えるわ。今、何時位?
部屋には時計が備わっていなかったので、手荷物の中からスマホを取り出した。
なんだ、まだ6時じゃん。
それにしても、お腹が空いたなぁ。
昨日、結局何も食べていないのよね。点滴だけはつけてあるけど。早く朝ごはん持って来てくれないかなぁ。再びベッドにゴロンと横たわりふと窓の方を眺める。
う〜ん。
何だろう。窓から入ってくる朝日がキラキラして見える。そりゃ、朝日はキラキラだよね。でも、う〜ん。埃に光があたっているの?
それとは違うような……。
ベッドから降りて、窓へ近づく。
朝日に、そうっと手をあてる。
何これ?朝日が虹色に光って見える。掌にあたった光が反射して、更に空間が輝く。プリズム?何かここにプリズムが発生するようなものがあるの?
試しに窓を開けてみた。外の景色を眺めたら、思わず息を呑んでしまった。
ごく普通の景色だけど、太陽の光ががあたってそこら中、キラキラ輝いている。病院の側の建物の屋根も、通りの木々も虹色。こんな現象、初めて見た。
空気中の水分があたって、太陽の光に反射しているのかしら?もしかして、夜中に霧が出ていたとか?よく雲が虹色に見える現象があったわよね。彩雲だったかしら。うろ覚えだけど。
つい冷静に分析してしまった。
でも、良いもの見られたなぁ。縁起が良さそう。たっぷり堪能したけど、肌寒くなってきたので、窓を閉めた。
ここの国に来てから、不思議な出来事が多すぎて、だいぶキャパオーバーでストレス溜まってたけど、こんな不思議なら大歓迎だなぁ。ホラ、分析出来る不思議ちゃんはストレス溜まる所か、反対に癒されるのよね。
(ウフフ。癒された?それなら、良かった。)
ん?なんか子供の声が聞こえる。
あたりをキョロキョロ見回しても、勿論誰もいない。うん。個室だしね。
(これは歓迎の意味も込めた、贈り物なんだよ?)
はい?歓迎?って、どこに隠れているのかなぁ?
一応、ベッドの下も備え付けのタンスの中も開けて確かめたけど、誰もいない。
や、やめてよ〜。ここ、病院だしさあたしホラーだけは駄目なのよねぇ。
(クスクスクス。僕らはオバケじゃないよ〜。お姉さん面白いね。)
「あ、な〜んだ。幽霊とかじゃないのか、それなら安心だ。はぁ。もう色々あったから、これ以上不思議ちゃんは困るのよねぇ。。。。」
、、?
って、え?安心?……!!!そんなわけない!無理やり、空間に向かい、突っ込んでみた!
「あの、それであなたはどなた?
オバケじゃないなら、な、何者?」
声が聞こえる方へ向けて、恐る恐る聞いてみた。
(僕たちは君の隣人。友達。守神。色々言われているけど、まぁ、簡単に言うと、妖精みたいなものかなぁ。)
「妖精!!??」
ホラ出た不思議現象!!フランスって、どんな所なのよ!?
(違う違う!僕たちはどこにでもいるよ?君が今まで感じていなかっただけだよ。)
ほぇ〜。そうなの。
(まぁ、この世界では姿までは見えていないみたいだけどね。フフッ。これからが楽しみだね。)
え〜〜!!
何でそうなる!?
勝手な事言って、妖精みたいなものの気配は唐突に消えた。
ドアが開き、看護士さんが病室に入ってきた。
「モー起きてタノネ。オハヨ。」
カタコトの日本語を話す看護士さんが検温し、調子を確認する。
「朝ゴハン食べタ〜ラ、アタマ検査スルヨ。調子良いカラテ、動キ過ぎハダメネ。」
ほうほう。朝ごはんですね!!
もうお腹グルグル鳴ってイルヨ。
看護士のお姉さんの言葉遣い、チョイトウツルヨ。
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