第237話吉川家
「若殿、元就を警戒するのであれば、吉川家への対応もお願い申し上げます」
「吉川家は大内と尼子の間で裏切りを繰り返しているが、尼子晴久は大叔母の孫で吉川興経から見れば再従弟、尼子国久は従叔父となる、仕方のない所であろうな」
「はい、家を保つためには出来るだけ血が濃く信頼できる相手と組むしかありません、大内家のやり方を見れば、五分の状況なら尼子に味方するのも仕方ありません」
「吉川興経の母親は毛利元就の異母妹ではあるが、毛利家が単独で尼子に対抗できる訳ではないからな」
「はい、家を保つのは並大抵の事ではございませんし、尼子と大内の間に挟まれると言うのは、想像以上に苦しい立場だとおもいます」
「問題は大塩右衛門尉が、家中の権力を吉川興経に集めるために、筆頭家老の森脇祐有や一門の吉川経世の力を抑えようとしたことだな」
「はい、今までのような一門衆の集合体ではなく、戦国大名のように当主に権限を集中しようとしているのでしょう」
「だが大内や尼子ですら、有力な一門や家臣を抑えることが出来ていない。まして有力国衆とは言え、尼子家と毛利家の影響が強い吉川家では、当主の独裁体制を築くのは難しいだろうな」
「はい、特に独立志向の強い森脇祐有と毛利家におもねる吉川経世を抑えるのは、至難の業と思われます」
「今は尼子家の勢いが強いから、毛利元就は勢力を伸ばす為に弱体化した大内に恩を売り、武田・小早川・吉川を傘下に収めようとするだろう」
「はい、それぞれの家に巣食う不忠者を所領で釣り、当主の地位を奪い、忠臣の所領を奪う事でございましょう」
「ここは一条摂関家と土佐一条家に話を通した上で、大内義隆殿と直談判せねばならぬな」
「大内家でも有力家臣との権力闘争が有るとのことですが、その辺を利用なされるのですか?」
「他家の内部抗争に口を挟みたくはないが、大内晴持とは血縁を結んでいるし、今後天下を太平に導くためには、山陽道と山陰道は安定してもらう必要がある」
「承りました、具体的な軍略をお聞かせください」
「吉川家」
-吉川家経
吉川経基ー吉川国経ー吉川元経ー吉川興経ー吉川千法師(まだ産まれていない)
毛利元就の異母妹
-吉川経長(中立)
-宮庄経友(本家派)
-吉川経世(毛利派)
-尼子経久室ー尼子政久ー尼子晴久
-尼子国久
-石野経守
-江田経純
-国衙光経
-茂経法
-妙玖 -吉川元春
毛利元就
吉川国経の次男は経長、三男は宮庄経友の説を採用し、吉川経世は野望を持った四男としました。吉川国経の弟たちは、合戦に継ぐ合戦で後継者を残さず戦死したことにします。
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