第12話大隅国衆連合軍

 1534年10月『大隅国・富田城』種子島犬楠丸・6歳


 父上が大軍を率いて上京されて以来、俺はわざと隙を見せて大隅国の国衆たちが攻撃を仕掛けてくるように罠を張った。先の2度の合戦での噂が強烈だったせいで、中々攻撃を仕掛けて来るものはいなかった。だが病的な一向宗信者で、領民に信徒になるか殺されるかを選ばせていた飯野城主・北原兼孝が、肝付兼続・伊地知重興・大野出羽守などを誘って攻め込んで来た。


 北原兼孝は俺が政教分離を説いているのが気に喰わないようだ!


 大隅国衆連合軍は、いったん肝付兼続の支配下の城の集結して、十分準備を整えてから俺の居る富田城に攻め込もうとした。だが俺は秘かに根来忍者を雇い、事前に大隅国衆の動向を探っていた。根来寺杉ノ坊の旗頭・津田監物殿と懇意になった事で、根来忍者・高野聖・雑賀衆との交流が出来ていたのだ。


 特に狂信的な一向宗信者・北原兼孝は、真言宗の高野聖にも天台宗の根来衆にも目障りだったようで、進んで情報を集め伝えてくれていた。


 「やあやあ、吾こそは種子島の領主・種子島恵時が嫡男・種子島犬楠丸なり! 卑怯にも父上の留守の攻め込むは何者ぞ! もし少しでも矜持があるのなら武士の誇りをかけて正々堂々吾と一騎討ちせえよ!」


 俺はただ1人で大隅国衆連合軍を迎撃に出向いた!


 向こうから攻め込んで来てくれたのだ、このあとで各領地に攻め込む大義名分が出来た。まずは身体強化魔法で無敵になった俺の恐ろしさを、徹底的に相手の心身に叩き込む。そうなれば無用の損害を味方が受けなくてすむ。


 いつものごとく神速で敵軍の中を駆けまわり、掌底で殺さないようの敵将兵を気絶させて回る。特に煌びやかな大鎧を着込んだ敵総大将を気絶させ、彼らを捕虜として確保した。


 俺の鬼神のような戦いぶりを見た敵雑兵は、われ先に逃げだすか降伏して来た。この頃には俺が配下の奴隷・足軽に慈悲深いと言う噂が広まっていたから、恐ろしい総大将や武将が叩きのめされたら、命の心配する事無く逃げ出すことが出来るのだ。


 俺が慈悲深いと言っても特別な事をしている訳では無い、ただ普通に衣食住を支給しているだけだ。だがこの世界この時代に、主として寒さを凌ぐ十分な制服を与え、夜露を凌ぐ長屋を与え、腹一杯の玄米を喰わせてくれる者はいなかったのだ。


 まして俺には有り余る鯨肉・鮫肉がある!


 奴隷や足軽の身で、毎食肉や魚が食べられるのだ!


 敵雑兵たちは先を争って俺の家臣となり、俺は彼らを率いて当主・城主・武将を失った大隅国の城地を攻め取って行った。籠城しようとしたところは、もちろん何時ものように俺が城門を破壊して、守備兵全員を掌底で気絶させて落城させた。


 俺は瞬く間に大隅国のほぼ全土を支配下に置き、家臣団の再編を行った。


「種子島家足軽隊」

鉄砲隊・ 500兵

弓隊 ・1000兵

投石隊・1000兵

投槍 ・1000兵

槍隊 ・2000兵

地侍隊・5000兵


「種子島海軍」

小早船(20丁櫓・40兵)80船

関船 (40丁櫓・90兵)50船

ジャンク船        10船

ブリック          2船

スクナー          2船

フリゲート         1艦

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る