第4話初狩

 さて、狩場は山にしよう。


 湿地や河川は水場で獲物も多いけど、水竜や鰐に出会ったら即死だからね。


 例え小物を狩っても、水の上に落ちたら泳いで回収しなきゃならない。


 回収中に水中から大物に狙われたら、これまた即死。


 獲物は少ないし小物ばかりだけど、やっぱり足場のしっかりしていて、逃げ易い山や森が無難だね。


 でも魔の森や奥山まで行っちゃうと、強力な魔獣に遭遇する確率が上がるから、里山近くの森や山で小物の兎や狐狸、鹿や山羊を中心に狩ろう。


 大きさや狩り傷にもよるけど、兎で四十銅貨、狐狸で百二十銅貨、鹿や山羊なら六百銅貨くらいになる。


 さ、夜が明ける前に砦を出よう。


 ふう~。


 一時間位歩いたかな?


 何も獲物に出会えないや。


 砦近くだと獲物もいないか。


 しかし片道四時間が日帰りの限界だろうな。


 おっと、これは獣道か?


 新しい糞もあるし。


 砦から4時間くらい歩いたかな?


 太陽に位置からもこの辺が限界か。


 この身体結構体力くあるのかな?


 全然疲れを感じない。


 この獣道で二時間くらい待ち伏せして、駄目なら帰ろう。


 さて弁当を半分喰うことにしよう。


 気配がある!


 姿が見えたら、即、圧縮した風魔法で喉を切り裂いてやる。


 よし、やった!


 後は息絶えるまで追いかける。


 狸か?


 意外だな、狐かと思ったけど。


 でも、狸の方が肉が高かったかな?


 そうだ!


 血抜きのついでに、獣道に血を撒いてみよう。


 上手くいけば肉食獣をおびき寄せられるかもしれない。


 この辺なら肉食獣と言っても、せいぜい山犬か狼程度だろうから対応可能だ。


 残り一時間待ち伏せだ!


 来た。


 小さいな。


 山犬かな?


 十キログラム程度が六頭か?


 魔法袋に十分入る!


 風魔法を圧縮して、ゆっくり慌てず確実に、喉を狙って撃つ!


 馬鹿が、逃げねえ。


 皆殺しだ!


 全部殺ったな?


 他の肉食獣は来てないよな?


 よし、木から降りて回収だ。


 血抜きの時間が惜しい。


 他の群れが集まらない内に早くこの場をから撤退だ。

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