第29話妖怪屋敷再び
猪苗代駅直近の民宿
俺は綾香さんと別れて、太郎君と花子ちゃんを連れて、再度妖怪屋敷に訪問すべく会津に来た。綾香さんは、俺との話し合いの後でも、どうしても役に立ちたいと、実家に行く意思を曲げなかった。
一緒に会津に行けるのなら、俺も説得のしようがあったが、綾香さんと一緒では、もう1度妖怪屋敷にたどり着ける確証がなかった。いや、例え俺と太郎君と花子ちゃんの3人であっても、妖怪屋敷が現れてくれるとは限らないのだ。
綾香さんには現金200万円を渡し、当座の費用に充ててもらうことにした。
俺と太郎君と花子ちゃんは、万が一の事も考え、早朝から合津磐梯山に登れるように、帯広駅バスターミナ8時発のバスに乗って、新千歳空港からの飛行機に乗って仙台に向かうことにした。
もっと早い航空機を利用すれば、昼過ぎには猪苗代駅に到着できる。だがそんな時間から登山するのは危険だから、比較的ゆっくりと温泉ホテルを出ることにしたのだ。
帯広駅バスターミナ:8時00発
北都交通 [予約制]とかちミルキーライナー 南千歳駅〔北口〕行
大人3400円×1=3400円
小児1700円×2=1700円
新千歳空港[国内線ターミナル]:10時40分着
:10時40分着
徒歩
新千歳空港:10時43分着
:10時45分着
日本航空 JAL2902便 仙台空港行
大人3万1900円×1=3万1900円
小児1万5950円×2=3万1900円
仙台空港:12時55分着
:13時14分着
仙台空港線・仙台行
410円
名取駅は直通
JR東北本線・仙台行
仙台駅:13時40分着
:14時00分発
JR東北新幹線 やまびこ214号 東京行
大人2590円×1=2590円
郡山駅:14時36分着
:14時53分発
JR磐越西線 会津若松行
大人1人3020円×1=3020円
猪苗代駅:15時35分着
6畳の和室で3人ゆっくりとくつろぎ、お風呂に入ってからお腹一杯の晩飯を頂いた。翌日早々朝食を頂いた後で、前回と同じ八方台登山口コースを登るべく、タクシーを呼んだ。
「民宿料金」
朝夕飯付き:大人6500円×1=6500円
朝夕飯付き:幼児2000円×2=4000円
小計:1万0500円
タクシー料金:3670円
妖怪屋敷前:勝也と太郎君と花子ちゃんに妖怪お婆さん
「ただいま!」
「花子もただいまだよ!」
「お帰り、太郎、花子、やれやれ、本当に戻ってきてしまったんだね」
「戻ってくるのが分かっていたのかい?」
「地方地方にも妖怪はいるんだよ、彼らから色々と話は届くんだよ」
「その妖怪達の話から、俺達がここに戻りそうだと聞いたのかい」
「ああ、しかも河童の妙薬を手に入れようと画策しているとも聞いたよ」
「そうだね、太郎君と花子ちゃんが輓馬をとても気に入ってね。その子達が怪我をしているから、治してあげたいと言ったんでね」
「それも聞いているよ、旦那様が欲をかいて欲しがっていたのなら、記憶を消して放り出せば済んだんだがね」
「それは、太郎君と花子ちゃんの為に、薬を分けてくれると言う事かね?」
「仕方あるまいよ、太郎と花子が輓馬達に治してやると言ってしまったからね。だがね、旦那さんよ」
「なんだい、何か不服があるようだが?」
「こう言う人間界の常識から外れた事を、太郎と花子に教えてやって欲しかったんだがね」
「おいおいおい、そもそも幸運と金運を持った座敷童だよ。バンバン競馬の勝ち馬を予想出来る時点で、もう常識とか逸脱しすぎてどうしようもないだろう」
「それは座敷童の体質だからどうしようもないんだよ、せめて他の常識をわきまえて、人間界で生き易いようにしてやりたいんだよ」
「では今後は、太郎君と花子ちゃんが仲良くなった動物でも、河童の妙薬は与えられないと言えばいいんだね?」
「そうだね、そう言ってくれると助かるよ」
「分かった、今後はそう言おう」
「おばあちゃん、お馬さん助けてあげたい~」
「花子もお馬さん助けてあげたい~」
「やれやれ、私も孫に頼まれちゃ弱いんだ。仕方ない、河童の妙薬を6頭分以上渡す訳にはいかないが、この屋敷で馬たちを預かる事はしてやろう」
「それは、骨折した薬殺以外の方法がない馬を、会津にまで連れてきたら、助けてくれると言う事か?」
「そう言う事だよ、人間界で河童の妙薬を使うのは問題が多すぎるからね。6頭の分は仕方ないが、それ以上は妖怪屋敷で保護してから与えるよ」
「おばあちゃん、ありがとう!」
「花子もうれしい!」
「よろしくお願いします」
2017年11月30日早朝:水沢駅近くのホテル
「おじさん、お腹空いたよ」
「花子もお腹空いた、おじさん起きて」
「「おなかすいた!」」
「うううう、頭が痛い、気持ち悪い」
「「おなかすいた!」」
「お婆さんに作ってもらえ」
「「いない」」
「何だって?」
「お婆さんもお手伝いさん達もいない」
「そうだよ、お山を下りたからもう誰もいないよ」
「またかよ!」
昨晩はまた飲めない酒を無理矢理飲まされた!
「この前と同じホテルか?」
「そうだよぉ~」
「この前と同じホテルだよぉ~」
「だったらまだ朝食まで時間があるから、歯を磨いて顔を洗っておきなさい」
「分かったぁ~」
「花子も分かったぁ~」
はてさてこれからどうするべきか?
綾香さんの思惑がどうなっているかは分からないが、妖怪屋敷で話がついた以上、少しでもお金を稼ぐ生活に戻らなくてはいけない。幸い今日は大井競馬の開催日だから、急げば第1競走から馬券を買うことが可能だ。
この前大井競馬場に行った時に泊まったホテルに予約を入れて、綾香さんにもメールを送っておく方がいい。もしかしたら、もう綾香さんとは縁が切れてしまうかもしれないけれど、一応大人2人と幼児2人で予約をとっておこう。
綾香さんが頑張ってくれている馬主になる方法だが、宝くじが当たれば何とかなるかもしれない。今も毎週ネットで自動購入しているが、トトビックにロト6とロト7が当たれば可能かもしれない。それこそ6億の当選金を大口定期預金にして、残高証明書を提出すれば、地方競馬の馬主にならなれるかもしれない。
いや、駄目だな!
やはり馬券で稼いでいると言うのは胡散臭すぎる。
特にネット投票の記録が100%的中しているから、こんなことは八百長でもやらなければ無理と判断されるだろう。それか、ネットの不正操作を疑われるだろう。
今更やってしまった事をなかったことには出来ないが、現金だけで馬券を買っておけばよかった。
まあいい、馬券はともかく宝くじの購入はしておこう。
ネットでトトビックを買う時は、太郎君と花子ちゃんにクリックしてもらおう。ロト6とロト7を買う時も、太郎君と花子ちゃんに番号を選んでもらおう。当選するとは思えないが、いや、心のどこかで当たると思っている。
これもO型の宿命なのだろうか?
いや、血液型診断など出版社の策略だ!
本を売りたい出版社が、日本人の大多数であるA型とO型をもてはやし、本を買わそうとした策略だったはずだ。
などと言う事を考えながら、風呂に入って歯を磨きながら汗を流した。3人でお腹一杯朝食を楽しんで、そのあとで水沢駅から大井駅を目指した。
水沢駅:7時9分発
JR東北本線・盛岡行
北上駅:7時24分着
:7時35分発
JR東北新幹線・はやて112号・東京行
大人5070円×1=5070円
幼児2530円×2=5060円
大宮駅:9時50分着
:9時56分発
JR埼京線通勤快速・新木場行
大人8210円×1=8210円
大崎駅直通
りんかい線通勤快速・新木場行
大人210円×1=210円
大井駅:10時41分着
10時42分に大井駅にたどり着いたが、14時10分の開門時間まで3時間30分ほどの余裕がある。ホテルには、大井競馬場が終わってからチェックインすると連絡してあるから、その間はまた品川区民公園で遊ぶことにした。
だが今回は3人で過ごさないといけない。綾香さんがいた時のように、大井競馬場内で役割分担が出来ない。だからコンビニで適当にパンとお菓子を買いこみ、パドックと馬券売り場の移動に備えることにした。
大きなレースの無い日だから、比較的空いているとは思うのだが、もし混んでいて太郎君と花子ちゃんにひもじい思いをさせてはいけない。だからと言って、大井競馬場で食事をする余裕があるのなら、温かい料理を食べさせてあげたい。でも買ったパンやお菓子を腐らせるのは絶対嫌だ。
だから今日の夜食や明日の昼食に回せる3120円分のパンとお菓子を、3時間半の空き時間の間に買い、大井競馬場の開門と共に持って入った。
コンビニ買い物:3120円
入って直ぐにやる事は決まっていて、スタークルージングで馬車に乗るのだ。太郎君と花子ちゃんは、アルとウェスとお話する事を愉しみにしていたのだ。
馬車に乗ってアルとウェスとお話した後は、パドックで馬の状態を太郎君と花子ちゃんに教えてもらい、直ぐに現金で馬券を買う為に売り場に向かった。幸い時間の余裕があったので、ローサリティーチキンのフル(1羽)を2100円で購入した。
1羽分買えば、熱々を太郎君と花子ちゃんの3人でお腹一杯食べることが出来る。
ローサリティーチキン(1羽):2100円×1=2100円
オニポテ :550円×3=1650円
オレンジジュース :250円×2=500円
小計:2600円
結局この日は、ネットと現金ともに2284万3200円勝つことが出来た。大井競馬場内にはATMが設置されているので、勝つたびに入金して現金を持ち歩かずに済むようにした。
ネット投票:2284万3200円
現金投票 :2284万3200円
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