第30話大井競馬場グルメ5 合いがけカレー 大井グルメ1 豚骨ラーメン

ホテルフロント


「予約していた○○ですが」


「○○様ですか、御連れさまが既にお着きになられて、部屋で御待ちでございます」


「そうか、ありがとう」


「お荷物を部屋まで運ばせていただきます」


「ああ、お願いするよ」


 太郎君と花子ちゃんを連れてホテルに行くと、既に綾香さんが来ていたようだ。もしかしたら、もう2度と会えないかもしれないと思っていたんで、正直にうれしい。


 部屋に入って綾香さんを姿を見ると、思わず抱きしめたくなったが、ベルマンが荷物を持ってついて来ているので、ぐっとその感情を抑え込んだ。






「勝也さん、父が私の提案を認めてくれました」


「馬主業を生業とする法人設立を認めたのですか?」


「はい」


「綾香さんの父親は、馬主になるだけの年収と社会的信用があるのですね」


「はい」


「ですが、私に経営方針を左右するだけの権限は与えられないですよね?」


「はい、表向きは、父と私と母が役員になります」


「綾香さんが役員として主導してくださるのですか?」


「はい、その心算です」


「綾香さんは、年間所得500万万円以上あったのですか?」


「私も知らなかったのですが、節税の為に私に給料を支払っている形にしていたそうです」


「だとしたら、何もお父さんに代表になってもらわなくても、綾香さんに個人馬主になってもらえば済む事ではありませんか?」


「そうですね、それも御相談したいと思いました」


「そうですか、でも、綾香さん個人に馬達の命を押し付けるのは重すぎますね。綾香さんを代表にした法人を設立しましょう」


「分かりました、でも社会的信用は父の方が遥かに高いので、父を代表とした法人と、私が代表になる法人の2つで馬主申請します」


「お願いします」






鮫洲駅近く、第一京浜沿いにあるラーメン店


「すみません、競艇場や競馬場でもないラーメン屋さんに付き合ってもらって」


「いえいえ大丈夫ですよ、太郎君も花子ちゃんもネットの写真を見て食べたがっていましたし、実際美味しそうに食べていますから。僕も豚骨はあまり得意ではなかったのですが、ここのラーメンは美味しいです」


「そうでしょ! ここはチェーン店ですが、ラーメン屋さんでは珍しく創業30年を超える老舗なんです。30年間愛されるラーメン屋さんは本当に珍しくて、それだけ美味しいラーメン屋さんなんです」


「それは凄いですね、綾香さんはどの辺が好きなんですか?」


「厳選された豚骨を丸一日じっくり炊き込んだフレッシュでクリーミーな濃厚スープは、万人受けするライトな豚骨醤油で、同じ豚骨醤油でも家系よりは相当軽めな仕上がりです。本格特製の低下水卵麺はスープによく絡みますし、どんぶり表面に広がるオレンジ色の鶏油膜は結構凄くて、ライトな味わいなのにまったり感が結構あります。具材のチャーシューは、創業以来の注ぎ足し醤油ダレに漬け込み作られる厚切りの上質肩ロースで、その濃厚な旨味はラーメンの美味しさに欠かせない存在感があります」


「へ~、べた褒めですね」


「24時間営業ですので、時間帯と店員によって多少の味の差は出てしまいますが、その差は他のラーメン屋さんよりも遥かに少ないです。しかも麺のかたさ、味の濃さ、油の量を自分好みでオーダーできますし、トッピングは高菜やキムチまで自分のとこでラーメンに合うよう手作りしてるらしいです」


「へ~、努力されているのですね、さっきも言いましたが、確かに美味しいと思いますよ。卓上には、にんにくペーストや豆板醤にペッパーが置いてあって、食べ進めるうちに味を変えれるのも僕好みですし、何より自由にトッピングできるのが好きですね」


「美味しい~」


「花子も好きぃ~」


 昨晩馬主になるための方法や、養老馬をどうやって会津に輸送するかを色々と話し合った。全ての話が終わった後で、少々ためらっていたのだが、綾香さんが遂に意を決して本心を話してくれた。今日は大井周辺の、競艇場や競馬場以外のラーメン屋さんに行きたいと!


 もちろん妖怪屋敷で預かった座敷童の太郎君と花子ちゃんが最優先だが、太郎君と花子ちゃんもラーメンが嫌いと言う訳では無い。俺も具沢山のラーメンなら食べることが出来る。


 そこでここに来た訳のだが、綾香さんと俺は店の名前が冠されている道楽ラーメンを注文し、太郎君と花子ちゃんは、お子様セットの味噌スープと辛スープを注文して分け合っていた。本当は追加トッピングやサイドメニューを注文したかったのだけれど、最後になるかもしれない大井競馬場にどうしても食べたい物があったから我慢した。


 だから俺の分の道楽ラーメンを、半分くらい太郎君と花子ちゃんに分けてあげた。


 道楽ラーメンを食べ終えた綾香さんは、2杯目はつけ麺を選択し、濃厚魚介スープ・味噌辛・太麺と言う、道楽ラーメンとは対極のスープと麺を楽しんでいた。


「メニュー表」

ラーメン    :650円

道楽ラーメン  :900円

ねぎラーメン  :850円

きゃべつラーメン:850円

のりラーメン  :850円

キムチラーメン :850円

メンマラーメン :850円

もやしラーメン :850円

高菜ラーメン  :850円

ワカメラーメン :850円

生にらラーメン :850円

チャーシューメン:950円

お子様セット(ラーメンハーフ+お菓子):490円

とんこつ醤油  :490円

味噌スープ   :640円

辛スープ    :640円

辛味噌スープ  :790円

ラーメン 麺大盛り:+150円

ラーメン 麺ダブル:+200円

ラーメン 麺少なめ:-50円

「追加トッピング」

ネギ     :200円

キムチ    :200円

メンマ    :200円

高菜     :200円

もやし    :200円

ワカメ    :200円

キャベツ   :200円

生ニラ    :200円

のり     :200円

半熟味付け玉子:100円

チャーシュー :300円

「好みで選べる! 道楽のつけ麺」

好みで選べる!道楽のつけ麺:850円

~道楽のつけ麺のご注文方法~

①スープの種類を選ぶ

道楽豚骨スープ

濃厚魚介スープ

②スープの味を選ぶ

醤油(+0円)

醤油辛(+50円)

味噌(+50円)

味噌辛(+100円)

③麺を選ぶ

太麺

細麺

麺大盛り(+50円)

麺ダブル(+100円)

「道楽流! 油そば」

醤油(温)  :750円

味噌(温)  :850円

ネギ辛混ぜそば:850円

「ご飯もの」

小ライス   :150円

中ライス   :200円

大ライス   :350円

チャーシュー丼:300円

「サイドメニュー」

焼餃子(5個)      :450円

半熟味付け玉子(皿2つ割):100円

皿ネギチャーシュー    :600円

キャベチャー       :600円

野菜の辛味噌和え     :390円

枝豆           :180円

「おつまみ」

おつまみネギ       :200円

おつまみキムチ      :200円

おつまみメンマ      :200円

おつまみ高菜       :200円

おつまみもやし      :200円

おつまみワカメ      :200円

おつまみキャベツ     :200円

おつまみ生ニラ      :200円

おつまみのり       :200円

おつまみ半熟味付け玉子  :100円

おつまみチャーシュー   :300円


道楽ラーメン      :900円×2=1800円

お子様セットとんこつ醤油:490円×1=490円

お子様セット味噌スープ :640円×1=640円

つけ麺         :950円×1=950円

(濃厚魚介スープ・味噌辛・太麺)


小計:3880円






大井競馬場:4号スタンド1階売店


「レバー食べるぅ~」


「花子も食べるぅ~」


「分けて食べないの?」


「1本づつ食べたい~」


「花子も1本づつ食べたい~」


「私はラーメンが食べたいです」


「じゃあ買ってきますね」


 今回俺達は、4号スタンド1階にある、昔ながらの立ち食いスタイルの売店に来ていた。パドックで馬を見て、現金で馬券を買ってネットでも投票し、その後で1番遠い4号スタンドまで来るのだ。


 なぜそこまでするかと言うと、俺がこういう昔ながらの立ち食い食堂形式が大好きだからだ。忙しいので、綾香さんだけではなく太郎君と花子ちゃんにも負担をかけてしまうのだが、それでも食べに来たかったのだ。


 それと太郎君と花子ちゃんも、それぞれ独立心と言うか独占欲と言うか、1人で1本の串を持ちたいと言う欲が出て来ているようだ。1競走ごとに周回するので、その度に牛すじ煮込みを食べたり、もつ煮込みを食べたりした。


 投票所とATMの込み具合によっては、売店に行くことが出来ない事もあったが、1競走の間隔ごとに1串買って食べるような状態になった。


 俺がが特に興味を持ったのが合いがけカレーで、これはこの店の名物料理だそうだ。これはカレーに、もつ煮込みか牛すじ煮込みを一緒にかけてもらうと言うものだ。


 今回は早目にここに来れたので、もつ煮込みの合いがけカレーをここで食べると伝えたら、立派な陶器の器に入れて出してくれた。


 大きな陶器の真ん中に白いごはんがあって、それを挟んで一方にカレーがたっぷりかけてあり、もう一方にもつが盛られている。


 ご飯にはカレー定番の福神漬けではなく、紅ショウガが載っている。


 カレーの方を食べてみると、よく煮込んであって、濃厚ながら昔ながらの家庭のカレーの味だった。


 もつのほうは、しっかりとしたもつ独特の臭みが感じられ、今どきの臭味のないもつではなかった。若い子達はこじゃれた飯屋や売店に行くだろうから、年配客の多いこの店では、わざと昔ながらの臭味のある煮込みにしているのかもしれない。


 塩味の白もつ煮込み串はお馴染みの見た目で、柔らかくあっさりと完食する事が出来る。モツ好きでないとわからないと思うが、塩味のシロは本来のモツの味がして、噛みしめるほどに旨さが口の中に広がっていくので大好きなのだ。


 赤もつ煮込み串は色合いが特徴で、モツと言えば白もつを思い浮かべる人が多いと思うが、ここの赤もつは食べ応えのある角ばったもので、噛めば噛む程味が出るような奥深い味わいだ。


ラーメン    :570円×1=570円

辛口四川ラーメン:620円

カレーライス  :570円

牛すじバラ肉丼 :

牛すじ煮込み  :500円×1=500円

鶏レバー甘辛煮 :500円

煮込み丼    :620円

もつ煮込み   :500円×1=500円

生たまご    :70円

ライス     :150円

大盛ライス   :250円

合いかけカレー :700円×1=700円

「うどんそば」

かき揚げ天ぷら :520円

かけ      :340円

ぶっかけ    :410円

たぬき     :390円

きつね     :440円

月見      :440円

カレー     :440円

冷やしたぬき  :460円

肉       :550円

天玉      :570円

冷やし中華そば :570円

「やきとり」

レバー     :190円×3=570円

本鶏      :190円×3=570円

タン      :190円×3=570円

かわ      :190円×3=570円

かしら     :190円×3=570円

シロ      :190円×3=570円

つくね     :190円×3=570円


牛すじ煮込み皿 :460円

赤もつ串    :200円×1=200円

白もつ串    :200円×1=200円

ホルモン串   :250円×1=250円

豚バラ串    :150円×1=150円

おにぎり    :100円

いなりずし   :100円

味付けたまご  :120円

など


小計:7060円


 最終的にこの日の勝ちは、現金投票ネット投票ともに772万7000円づつ勝つことが出来た。現金で勝った分は、ATMで毎度毎度入金しているので、それほど現金を持たずに済んでいる。


ネット投票:772万7000円

現金投票 :772万7000円


「たい焼食べたい~」


「花子はたい焼とクレープ食べたい~」


「あの、私もデザートが食べたいのですが」


「分かっていますよ、後半あまり食べなかったのは、デザートを買ってホテルで食べる心算だったのでしょ。何時ものように買って帰りましょう」


チョコバナナスペシャル  :500円

ストロベリースペシャル  :450円

ブルーベリースペシャル  :450円

アーメンドチョコスペシャル:500円

うまたせ!どらやき    :200円×3=600円

うまたせ!ミルク饅頭   :120円×3=360円

マラサダドーナッツ  5個:1000円

うまかったい焼き     :300円×3=900円

小計:4760円

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