第27話東京競馬場グルメ2 ワンタンメン 帯広グルメ4 カレー
東京競馬場パドック:勝也・太郎・花子・綾香
「今日はジャパンカップの日ですから、昨日のように4人で移動するのは難しいと思います」
「分かったぁ~」
「花子も分かったぁ~」
「浦和競馬場の浦和記念の時のように、私達3人は出来るだけパドックから動かないようにします」
「極力場内の名物料理を買って来る心算ですが、最悪の場合はコンビニで買っておいた、パンや御菓子で食事を済ませて下さい」
「分かったぁ~」
「花子も分かったぁ~」
「心配しないでください、太郎君も花子ちゃんも、もちろん私もコンビニで好きな物たくさん買いましたから。それに入場早々ラーメンを食べに連れて行ってもらいましたから」
コンビニ代:5180円
「醤油ラーメン専門店メニュー表」
ラーメン :570円
ワンタンメン :600円
チャーシューワンタンメン:680円×3=2040円
チャーシューメン :720円×1=720円
ネギラーメン :720円
味玉ラーメン :640円
ワンタン :520円
ラーメンセット :820円
トッピング煮玉子 :70円×4=280円
小計:3040円
「あそこのラーメンは結構美味しかったですね」
「美味しかったぁ~」
「花子も美味しかったぁ~」」
「そうですね、野菜から出る甘みをほどほどに抑え、かえしである醤油も尖る事なく落ち着かせ、動物系のダシをストレートに表面に出さないようにした上湯です! バランスがよくとられていて、胡椒を入れるとインパクトが分かり易いんです」
「それでスープが美味しかったんですね」
「はい、しかしそのスープには、加水率低めの香ばしい麺を、中に近いやや細やや縮れにしたからこそ、調和がとれているのです」
「そうですね、僕もバランスがとれているように思いました」
(本当は何も分かってないんだけどね)
「それに加えて具材ですが、チャーシューは薄っすらとした味付けに抑えてあり、噛めば噛むほど味が出るもも肉を使い、特にスープと一緒に噛みしめると、凝縮された美味しさが口の中で広がります」
「そうですね、僕もそう思いました」
「メンマもスープを邪魔しないように、ほのかに甘味が残る薄味に抑えてあり、ジョリジョリとした歯ごたえも小気味よく、スープ、麺、チャーシューに負けない予想通り、いえ期待通りのメンマです」
「そうだったんですね、どうも僕にはメンマの違いは分からなかったです」
「それとワンタンですが、ヒダの部分と、餃子の具みたいに詰め詰め感ある具の部分がはっきり分かれていて、美味しいのですが人によって好みが分かれると思います。もちろん私はどちらも大好きなんですが」
「そうでしたか、僕はチャーシューメンを頼んだので、ワンタンの違いは分かりません」
「勝也さんは肉好き魚好きで、粉物は好きではないですものね」
「お見通しでしたか」
「オカズ喰いと言われてましたし、私達の為に付き合って下さっているのは分かっていました」
「そうですか、そうでしょうね、バレバレでしょうね」
「話を戻しますが、煮卵も見た目の黒さとは違って薄味に抑えてあり、メンマと同様にほんのりと甘さ残すように作られていて、一緒に食べてラーメンが完成するように、スープと調和させています」
「そうですね、煮卵は上品な味付けになっていましたね」
「一見地味な薄味ラーメンに思えるかもしれません。強い味付けの好きな人には物足らないかもしれません。でも、昔ながらのさっと寄ってさっと食べる、立ち食いスタイルがよく似合う一杯です。あっさり目のスープをすすっては麺をたぐる、交互に食べるのことが相性抜群な一杯です。平凡に見えても、決して侮ってはいけないラーメンなのです」
「気に入ってもらえてよかったですよ、1軒目のラーメンをどこにするか、正直迷いに迷いましたから」
ジャパンカップ開催日では、4人揃って移動し余裕を持って食事をするのは難しい。ただ競馬新聞を見て予想するだけなら、前日に幾らでも研究予想出来るから、前もって全競走を買う事も可能だ。だが太郎君と花子ちゃんに、パドックで馬を見てもらってから買うとなると厳しいのだ。
11競走を買って直ぐに羽田空港に向かう予定でもあるし、ゆっくり東京競馬場グルメを味わえるのは、朝1番しかなかった。だから悩みに悩んで、フジビュースタンド1階ファストフードコート(イースト)にあるラーメン屋を選んだのだが、何とか合格点を取れたようだ。
「どうやら間に合いそうですね」
「あれほど込むとは思いませんでした」
「一杯だったぁ~」
「ちょっと怖かったぁ~」
ジャパンカップが終わった直後から、多くの人が出口に殺到しただろう。
パニックになる事はありえないし、マナーの悪い人間も極少数しかいないだろう。それに俺達4人は、太郎君と花子が馬を見てくれて、俺が馬券を購入して直ぐに出口に向かったので、本当の大行列には遭遇していない。今日は最終競走が通常の12競走ではなく、G1仕様の11競走となっていた。しかも11競走にジャパンカップが持って来られているので、競走を観戦する大多数の人より前に帰ることになった。
その為にはジャパンカップの現金馬券は換金できていないが、これは来週に中山競馬場に行った時に換金すれば済むことだ。換金期間は60日だが、それまで放っておくことなどない、必ず現金にする。
いや、そもそも昨日今日の馬券は、1つも現金化していない。1億円以上の現金を持ち歩くなど、重くて危険で、とてもではないが恐ろしくてできない。
「これ熱々で美味しい」
「花子も熱々のG1焼き大好きぃ~」
「勝也さんは餡子が苦手なんですよね」
「はい、あそこにカスタードが置いてあって助かりました」
そうそう、1食目のラーメン以外にも、パドック横に売店があったので、そこでもつ串やもつ煮込み、牛すじ豆腐やプレミアムG1焼きを買ってお腹を満たしたたのだ。御蔭でコンビニで買ったパンや御菓子は、ほぼ全て残っている。
それと、G1焼きと言うのは早い話が今川焼や大判焼の事で、地方や店によっては円盤焼と言ったりもする。他にも甘太郎焼き・ホームラン焼き・七越焼き・回転焼き・がめこもぢ・たいこ焼きなどなど、本当に多くの呼び方があり、東京競馬場のあの店ではG1焼きと言っているだけだ。
「パドック横売店」
もつ串赤 :200円×2=1000円
もつ串白 :200円×5=1000円
もつ煮込み:470円×1=470円
もつ煮込丼:650円×1=650円
牛すじ豆腐:500円×1=500円
牛すじ丼 :650円×2=1300円
プレミアムG1焼き:170円×14個=2380円
(あんこ・クリーム)
小計:7300円
結局東京競馬場の今日の勝ち分は、現金ネットともに7731万6000円だった。来年税金を支払う事を考えても、輓馬を2頭生涯養う事が出来るだろう。
これで明日は堂々と話をする事が出来る!
ネット投票:7731万6000円
現金投票 :7731万6000円
タクシーを使って府中駅まで向かい、京急川崎で乗り換えて羽田空港まで行った。今回は直前に空港に入った事もあり、前回のように空港グルメを愉しむ事は出来なかったが、朝コンビニで買ったパンと御菓子が沢山あるから大丈夫だ。
何より帯広に到着してからの食事が愉しみだから、あまり食べない方がいい。
府中駅:16時6分発(470円×2=940円)
JR南武線 川崎行
川崎駅:16時47分着
:16時47分発
徒歩
京急川崎:16時58分着(410円×2=820円)
:16時59分発
6・7番ホーム
京急本線エアポート急行 羽田空港国内線ターミナル(京急)行
羽田空港国内線ターミナル:17時15分着
:17時15分発
徒歩
羽田空港:17時17分着
:17時50分発
日本航空 JAL579便 帯広空港行
帯広空港:19時25分着
:19時40分発
連絡バス 帯広行
帯広駅:20時18分着
電車代 :1760円
航空機代:大人2人8万6200円
:小児2人4万3200円
:小計12万9300円
バス代 :2000円
「明日も早いのに電話してすみません」
「いや大丈夫だよ、さっきレースが終わったばかりだから、まだまだ寝るような時間じゃない」
「それでも毎日電話させてもらってますから、御迷惑をかけているのは重々承知しているのです」
「なぁに、引退する馬を養老馬として引き取ってもらえるんだ。他の調教師ともいろいろ相談させてもらって、誰がどの馬を引き受けてもらうかこちらも直ぐに決まられるものじゃないからな」
「はい、でもうちの子らが最初に出会った馬は優先してもらいます」
「ああ分かっている、あの子は家で預かっている子だから、他所の調教師にも文句は言わせないさ。で、結局何頭引き取ってもらえるんだ?」
「色々知り合いにもあたったんですが、今週集めたお金では、一生面倒見れるのは6頭が限界です」
「それは2億前後集めたと言うことか?」
「ええ、そうです」
「あんたに馬主の資格があればぁ~」
「2年後には資格を取る心算ではありますが、確実に取れるとは言えない状況なので、それはその時になってからの話になります」
「分かった、明日の早朝に直に話したいがいいか?」
「はい、僕もその心算でした」
「では明日な」
「はい、では明日に」
帯広市内のカレーショップ:勝也・太郎・花子・綾香と店員
「何を食べる?」
「ハンバーグゥ~」
「花子もハンバーグゥ~」
「私もインディアンルーが食べてみたいので、ハンバーグをお願いします」
「僕もハンバーグカレーなんで、ハンバーグカレー4つです」
「はい、辛さはどうされますか?」
「僕は中辛でお願いします、3人はどうする?」
「ふつう~」
「花子もふつう~」
「私は辛口でお願いします」
「もし辛さが足らければ、ホットオイルを足せばいいんですよね?」
「はい、ホットオイルを掛けて下されば、カレーの味をこわさないで、辛さを足すことが出来ます」
「トッピングはどうする?」
「チーズとエビとチキンにカツゥ~」
「花子もチーズとエビとチキンにカツゥ~」
「私も同じでお願いします」
「4人とも、チーズとエビとチキンにカツをトッピングして下さい」
少々恥ずかしいのだが、乗せれるトッピングを全部注文してしまった。まあそれも仕方がないだろう。ネットには帯広のソウルフードと書かれているし、テレビでも帯広市民が鍋を持って買いにくると放送されていた名店のカレーだ。
それに俺にとっては、少年の頃から読んでいた、大好きな極道ロマン漫画の主人公が故郷の味と言っていたから、いつか食べてみたいと思っていたのだ。
ネットで調べた時に書いてあったのだが、元々帯広のインディアンカレーは、大阪の老舗カレー屋さんのインディアンカレーをリスペクトして産まれたものだそうだ。
帯広の老舗レストランのオーナーが、大阪のインデアンカレーを食べてその味にいたく感動し、1968年に帯広市に1号店をオープンさせたのがはじまりだそうだ。だから大阪のインデアンカレーと、シンボルマークがよく似ているのだとも書いてあった。
大阪生まれだが田舎者で、20年以上前に北浜で修業していた頃に1度食べただけで、もう味も覚えていないので似てるかどうかも分からない。
だが美味しことに間違いはなく、家庭で出される母親のカレーを究極にした味、1日2度食べれるカレー、大人から子どもまで安心して食べられるカレーだと思う。
ドロッとを通り越してボテッというルゥだが、トロトロになったジャガイモはもちろん牛肉も十分煮込まれており、牛肉が溶け込んだ感じがたまらなく美味しく感じる。
それと俺の心の琴線を振るわすのは、カレーを出してくれるのが銀皿と言う事だ!
俺が幼かった四十年ほど前には、街に一軒は洋食屋があって、そこで出してくれる洋食の数々は全て銀皿で出されていたのだ。当時は結構高価なもので、ハレの日にしか食べることが出来なかった、大御馳走と言うイメージがあるのだ。だからこそ、銀皿で出される洋食の美味しさは、俺の中で更に昇華されるのだ。
カツを食べようと改めて見てみると、ちゃんとスプーン一杯に収まる大きさに切ってくれている。とんかつ切りではなく、スプーンで食べるカツカレー用の切り方にしてくれている事に、心から感動した!
トッピングは多いし、カレーも大盛ではなく並盛だから、卓上の薬味を食べなくても問題はなのだが、ネットで評判がよかった大根・しその実・ガリ(生姜の甘酢漬け)を食べないではおられない!
大根は福神漬け味で、定番の食べ熟れた味だから何の違和感もない。ガリの甘酢の味は元々大好きだし、寿司を食べる時についているので食べ慣れている。カレーとの相性だけが問題だったけど、これがなんだか不思議とマッチする。甘酢が辛口のカレーをうまく調和させてくれている気がする。
食べた事のなかったしその実だけど、これがまた美味かった!
今回は十勝定番の味である、牛肉を使った辛さ控えめの「インデアンルー」を注文したが、旨味と甘味を引き出した「ベーシックルー」や、道産野菜を使用した「野菜ルー」も食べてみたい。
「カレー屋メニュー」(税込価格)
普通:子供から大人まで食べれるスタンダードな辛さ
中辛:普通の辛さにもう1味辛さを加えたもの
辛口:更に辛みを加えコクのある辛さにしたもの
大辛:辛さに更に辛さを加えた本場の辛さ
極辛:本場の極辛
「カレー」
インデアン(インデアンルー):421円
野菜(野菜ルー) :421円
ハンバーグ(インデアンルー):604円×4=2416円
エビ(ベーシックルー) :604円
チキン(ベーシックルー) :604円
カツ(ベーシックルー) :658円
シーフード(ベーシックルー):734円
「トッピング」
チーズ :86円×4=344円
ハンバーグ:194円
チキン :194円×4=776円
エビ :194円×4=776円
カツ :259円×4=1036円
大盛り :129円
「ソフトドリンク」
オレンジジュース:86円
メロンソーダ :86円×3=256円
山ぶどう :86円×3=256円
ウーロン茶 :86円
コカ・コーラ :86円
小計:5860円
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