第16話ドローン配送
姉ちゃんからのメールは、次に姉ちゃんが交渉時間が取れるまでの間に俺がするべき事が書いてあった。少し時間が空いた事で、色々と調べた上で考えてくれたようで、普段の姉ちゃんなら考えもしないことが書いてあった。
1:領主館前にドローン配送が可能かの確認
2:減る一方の資金を補填するための、動画撮影投稿の許可交渉
3:動画が再生される可能性のある面白い題材の調査
4:獣人がいるなら、優先的に撮影投稿すること
5:奴隷獣人がいるなら、なにがなんでも購入すべし
俺は交代で部屋の前に控えている兵士(まあ護衛と監視役も兼ねているのだろう)に声をかけて、アーデルハイトに会って交渉したいことがあると言った。2人の兵士の内1人が監視に残り、もう1人が呼びに移動したが、俺に兵士をどうこうすることなどできないから大人しく待つだけだ。
「いったい何の用ですか?」
アーデルハイトたちは直ぐに来てくれたが、呼びつけられたのが腹立たしいのか不機嫌な様子だった。しかも交渉と言ったのが悪かったのか、バルバラ以下の4人の妹も揃ってやってきた。
「ここにも使い魔が荷物を運んで来れるか試したい」
「なるほど、勝手に武器など運び込まれては困りますから、事前に伝えて下さったことはありがたいです」
バルバラは俺のことを見直したように行ってくるが、俺がアメリカなどの比較的自由に銃器が手に入る国の出身なら、問答無用で銃器を手に入れローゼンミュラー家を制圧していただろう。もちろん姉ちゃんも、その方法を使って武力と財力でローゼンミュラー家を家臣にしろと指示していたかもしれない。だが残念ながら、俺も姉ちゃんも日本人だし、危険を犯してまで銃器や爆弾を自作する心算は無い。
もちろん姉ちゃんなら爆弾の自作など簡単だろうが、将来が約束されている姉ちゃんに、そんな危険なマネをさせるわけにはいかない。そんなことをしなくても、有り余る叡智(えいち)でローゼンミュラー家を上手くコントロールしてくれるはずだ。
「ではいいのですね?」
「いいのだな、バルバラ?」
「はい、大丈夫です。ですがイチロウ殿、どれくらいの時間がかかりますか?」
「使い魔には色々な仕事が課せられていますし、使い魔を管理監督する者が忙しい可能性もあります。一応30分以内とは言われていますが、確約は出来ません」
「姉上様、狩りの時間を遅らせてでも待ちましょう」
「バルバラがそう言うのなら待とう」
俺はさっき考えていた香辛料と調味料を注文したが、販売しやすように200gに小分けさせられている物を中心に選んだ。1度実際の販売状況を見てみないと、もっと小分けした商品の方がいいのか分からない。それに、もしかしたら購入価格が高くても、ガラス瓶に入ったものの方が高値で売れるかもしれない。
ここまで来てくれドローン!
「新たに購入した物」
干椎茸:1000g×20×6800円=13万6000円
赤胡椒:100g×20×1800円=3万6000円
白胡椒:100g×20×400円=8000円
黒胡椒:100g×20×313円=6260円
味塩胡椒:400g×3=1166円
マスタード:850g×2=999円
柚子胡椒:280g×1×741円=3705円
生わさび:174g×5×351円=1755円
マヨネーズ:450g×5×393円=1970円
瓶入り濃口醤油:900mL×2×948円=1896円
瓶入り薄口醤油:900mL×2×948円=1896円
瓶入りウスターソース:360mL×5×349円=1745円
瓶入りとんかつソース:300mL×5×528円=2640円
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