三章

第76話 あの日の始まり

前世。


文字通り、前の世。


人は死が訪れると、肉体は朽ち、土に還り、魂は安定を求め、あの世に行く。


そこは生前の行いによって、天国か地獄に分類される。


天国とは神や天使が居て、苦痛のない場所とされている。


地獄に落ちた者は、永遠の苦しみが課せられる。


その苦しみは、8大地獄があると言われている。


そして、安定した魂は、次の肉体に転生する。


中には人間、動物、虫に転生する者もいる。


基本的に罪の重さによって決まる。


全ての生物に、殺生は罪とされる。


輪廻、何度も生まれ変わる事。


そうして、人は輪廻転生をする。


霊子は天国には行かず、復讐の道に行った。


二度と戻れはしない。


魂の死こそ本当の死。


魂が死んだら、二度と再生されない。


故に神は現世の世界に、肉体と言う牢獄を与えた。


この世界は、1番残酷で醜いとされる。


霊子もまた、この世界によって汚された魂。


出来るならこれが全て。


全ての生物に、神の加護があらんことを。

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