第77話 あの日の始まり
里奈と霊子は、学祭準備のメンバーが、2人しかいない為、他の班に入る事になった。
霊子は3班に、里奈は波の4班になった。
「分かれちゃったね。霊子と一緒が良い。」
霊子は里奈に合わせるよう、作り笑いを浮かべた。
「はい。私も里奈と一緒が良いです。」
すると波が会話に入って来た。
「里奈はまだ良いでしょ?私がいるし」
縋るように波に言った。
「うん。波がいてくれて助かった。」
波は腕を組み、はっきりと言った。
「あんまり人と、関わろうとしないからだよ。」
合わせてた目線をずらし言った。
「まぁ、でも本当の友達だけで良いかな?ね…霊子!」
霊子は複雑な気持ちだった。
「ですね。」
笑顔で返す、霊子。
里奈と波は、2人並んで学祭準備の為、家庭科室に向かった。
霊子は隣の空き教室に、向かって歩いていると、300年前に自殺した生徒の教室の前にいた。
今は埋められて、どれだけ見つめても、風で冷たくなった冷ややかな壁。
同情に近い気持ちで、そっと手をかざした。
「君はどんな悲しみでした?…私は人を殺してまで、この気持ちを拭う道を選びました。貴方は自分の中に全て押し込み、我が身ごと命を絶ったんですね。」
霊子から涙がゆっくりと、頬を伝い床に落ちた。
顔を壁につけ耳を研ぎ澄ました。
それでも返って来たのは、無音の空間。
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