第57話 復讐の冷血
だが、次の日の霊子は、前の日とまるで別人だった。
何事にもおどおどして、苦労知らずのお嬢様みたいで、触れただけで壊れそうな程、美しく儚そうな程、弱かった。
けれど、夏希は霊子を恐れ問い詰めるのを忘れ、逃げるようにしていた。
夏希の前に映る霊子は、狂気が美しさによって隠され、自信に満ち堂々としていて意味もない笑みがあった
。
クラスの人達は、美しさに見とれ、男子達はまるで姫を見ている感じだった。
普段から評判の悪い夏希では、誰も信じず、霊子を信じるだろう。
霊子の美しさは、夏希の全てを奪った。
夏希は霊子の、呪われた人形のような死んだ眼光を見た瞬間、理枝達は霊子に殺されたと思った。
見ただけで犯人が分かる程の、不気味さだった。
それだけの存在感を放っていた。
だが、夏希以外誰も気がつかない。
美しさは全ての真実を隠すのだろうか?
それとも、霊子には他にも何かあるのだろうか?
毎日、自問自答する夏希。
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