第53話 復讐の冷血

今の人見は神を得た事で、世界が変わり、自分を認める事が出来た。


だが神に近づく者達は、常日頃から邪魔だった。


特に里奈、瑠璃、波、京子、正木、友希。


教室にいる生徒は自分を含め29人。


人見の映る目には、消したい人は27人。


クラスを自分と霊子で満たしたい。


気持ちは日に日に強くなる。


人見は学校だけではなく、親からもほぼ関心を持たれなかった。


親は、若い頃学校で1番中心にいたぞ人見、お前は本当に俺達の子か?それが両親の口癖だった。


最初は苦しかった。


世の中に居場所を探した。


時には、動物や虫に話かけた事もあった。


虫や動物は、仲間と共に行動し助け合う。


いつもそこに混ざりたかった。


蟻を観察してたら、クラスの人に踏まれ死んだ蟻を見て、奇声をあげ背後から殴りかかった事もあった。


蟻の死は、自分の唯一の場所を失った。


そんな時、霊子に話かけられ私の手を握り微笑み、1人の世界から連れ出してくれた。


一時は、神にさえ嫌われてるんだと、天を一日中睨み恨んだ事もあった。


空を見ていると雨が降り、クラスの人のように水をかけて来た気分になった。


だが神は、雨が降る次の日、霊子が転校して来た。


そして、私を認めてくれた。


あれは恵の雨だった。


神が私に、神と仲間になる資格を与えてくれた。


歓喜に震え、世界は変わり、霊子と居るようになってから自分を認めない人もいなくなった。


自分を足蹴りをし、虐めた理枝や彩は学校から消えた。


私はまた神に感謝した。


きっと、霊子様に違いない。


神に忠誠を誓った。


神を、霊子様を守る。


邪魔するものは、殺す事も厭わない。


神の制裁を下す。


そして、私は霊子様に微笑みかけた。

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