二章

第51話 復讐の冷血

人は、なぜ復讐をするのか?


悲しみか、絶望か、嫉妬か、虚しさか、孤独か、痛みか、苦しみか、友の為か、家族の為か、恋人の為か、はたまた自分の為か?


元来、復讐などなかった。


あるのは、罪人を裁く神にあらず人の裁きにあり。


人間は誰しも思う。


絶望や悲しみに落ちた時、何故自分なのか?悪い奴は他にいくらでもいると。


自分の不幸を知りたがり。


善が助かるなら神は不要。


悪が助かるなら神が必要。


だが、神にも善も悪もいる。


目に見えない者に、全てを託せないから、人は復讐を選ぶのではないだろうか?


神によって助けられた者は、ごまんといるだろう。


だが、罪も無く神にも救えない者がいたとしたら、それは復讐に走る者は少なからずいる。


命は平等と言う言葉は、生来正しく生きている者を指す。


人の領域を超えた悪は、死刑になる。


基本的に国によって決定される。


それは神の考えか?


人の考えか?


全てはわからない。


人や他の生物の為に流す涙は、すなわち善である。


人や生物を殺す行為自体が、悪い事であってその心は正義だ。


死死森霊子の復讐は、誰の為なのだろう。


次に涙を流す事は、永遠に来ないかもしれない。


何故なら彼女は………

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