第46話 1人目

内容が内容なだけに、霊子を傷つけまいと遠回りな喋り方をしていたら、話が進まず、かえって霊子を傷つけてしまった。


この話をしたら、霊子はきっと恐れ逃げ出すかもしれない。


でも今は、自分を含め6人も霊子の仲間がいる事は、霊子にも里奈にも心強かった。


まだ友達になって日が浅い分、霊子が自分達をどう思っているのか不安ではあったが、あくまで1つの可能性の一環として言った。


「あのね、私が言いたかった意味は、霊子の記憶が無くす原因は、この写真に関係あるかもって事。」


京子には、まだ意味がわからなかった。


「え、どう言う事?」


横にいる波は眼鏡を掛け直し話した。


「要は記憶喪失って怪我した時の後遺症か、それ程の心の傷があったって事!」


まだ意味のわからない京子は、続けて質問した。


「まだ、ちょっと意味がわからない。」


この緊張感の中、理解が遅い京子に溜め息が自然とつく。


「鈍いな京子は、要約すると、どっちだったにしても、霊子を傷つけた人がいるって事よ!」


波の話に咄嗟に霊子に視線がいくも、下を俯いていて目も合わせられない。


正木は、心に引っかかっていた事をぶつけた。


「犯人は、こんな写真を持ってる、吉沢先生なんじゃないか?」


瑠璃は間に入り、はっきりとした口調で言った。


「まぁ、普通に考えたらね、だけど先生以前に、私達にそっくりな生徒がいる事自体、奇妙な話だからね、まさかご先祖様じゃあるまいし!」

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