第47話 1人目
瑠璃の言った一言は、皆があまり考えたくなく、最も謎で怖く不気味な現象。
安直に考えた正木は言った。
「ゆ、幽霊とか?」
腕を組み、正木に睨み付けるように言った。
「そんな次元の話じゃないから、実際幽霊なら、どれだけ良かったか!」
里奈は瑠璃に重ねるように言った。
「まぁ、幽霊より不可思議な話出しね!」
一同が互いに意見を言い合ったお陰で、自体を飲み込めて来ていた。
話を聞いている霊子は、全ての事が怖くなり、塞ぎ込んでしまった。
正直誰を信じていいのかわからなくなったが、人を信じれないと、自分が孤独な気持ちが沸き起こった。
ただ自分が寂しいだけなのか、記憶を失う程の出来事を思い出すのが怖いのか、幽霊でもない限り、説明がつかない写真や吉沢先生が恐ろしいのか、はたまた全てなのか、頭の中で見つからない答えを探していた。
思いつめている霊子を元気づけたかったが、男の自分が寄り添うより、同じ女の方が良いだろうと思い、正木は里奈と瑠璃に目線を向け、霊子に駆け寄れと言わんばかりに首を横に振った。
霊子を見て、天涯孤独な少女と思わせる程、寂しそうにした姿は、友達と思っている私達では支えになれなかったと、不甲斐なさとかける言葉を失った。
友希は正木のやり取りを見ていたが、また喧嘩になったらさらに重い空気になると思い、正木を連れ出そうとして声をかけた。
「そろそろ、写真戻した方がいいから、戻しに行こうぜ!」
友希の心遣いは直ぐに分かった。
正木は気持ちを組み、素直に明るく返事をした。
「そうだな、じゃあ、俺らはこれ戻して来るから」
そう言い残し2人は出て行った。
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