第13話 小さな手紙
白峰円香ちゃんが、小学校でお昼休みに友達と校庭で遊んでいた。もうすぐ休み時間が終わろうとした頃、他学年の男の子が円香ちゃんに近寄りこう話してきたのだ。「さっきおじちゃんが、これ渡してって言われた。はい。」円香ちゃんの手に白い小さい紙切れが手渡される。
男の子が「あと、大切な手紙だから一人で読んでだって。」そう告げると走ってどこかへ行ってしまった。
円香ちゃんは、たまたまかくれんぼをしている最中だったため、ネズミ色のトンネルの中に隠れて急いでさっきの紙切れを開いた。『こんにちは。このまえは、きみがあぶないところだったけど、ぶじでよかったです。もう、しらない人についていっちゃダメだよ!ぼくはきみをたすけたけれど、あまりひとにしられたくないんだ。こっそりたすればそれでいいんだ。だから、もうぼくときみのなかでひみつにしていてほしい。きみは、ニュースをみてこわくなったとおもうけど、こわくない。きみがたすかればそれでよし。ぼくはいつでもきみをまもるよ。だから、やくそくまもってね。あと、このてがみはよんだらこまかくちぎってすててね。』円香ちゃんは、少しだけ怖さを感じたが休み時間が終わるとすぐにびりびりに破ってゴミ箱に捨てた。どこかでいつも見られていると思ったからだ。
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