第6話 保育士の虐待
それから1ヶ月が過ぎたが、事件は何にも進展しない。
かものはし保育園もも組では、保育士の黒澤先生が泣いてぐずる園児を暗い物置に閉じ込めドアを固く閉める。立ち去る黒澤先生の背後から男の声がする。
「黒澤先生。」
わたる先生が、真顔で立っている。
「あら、わたる先生。何ですか?」
「物置に園児を閉じ込めるのは虐待です。先生は前にも園長先生から注意されても何度も何度も閉じ込めていますよね?」
「…そうだったかしら?泣く子がいると他の園児まで足を引っ張られるのよ。泣けば物置に入れられると怖さを覚えて泣き止む子もいて悪いばかりではないわ。何度言ってもわからない子にはこうするしかないのよ。悪気はないのよ…わかるでしょう?」わたる先生は毅然とした態度で抗議する。「わかりません。黒澤先生がやっていることは虐待です。今すぐ物置から出しなさい!!」ものすごい興奮した様子で、物置を指差した。黒澤先生は、何か言い返そうとしたが、わたる先生が鋭く睨む顔が恐ろしくそそくさと物置へ走っていき中から号泣している園児を抱き上げよしよしとあやしながらわたる先生の前を通りもも組の方へ歩いていく。
わたる先生は、呼吸を荒くして黒澤先生を血走った目で睨み付けていた。
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